そんじょそこいらのさなえさん、
自販機であったかいお茶お買い上げ。
ところが…
取出し口から出てきたのはスポーツドリンク。
「何よこれ?私に運動でもしろってこと?
大きなお世話よ!私はお茶が飲みたかったの!」
仕方なく
さなえさんはスポーツドリンクを手に去っていった。
心なしか、
いつもより大きく手を振って歩いていた。
そんじょそこいらのさなえさん、
千円札を投入しあったかいお茶お買い上げ。
「ガチャ、ガチャ、ガチャ」
さなえさんはおつりを取ろうとした。
ところが…
「えっ?嘘?」
「…ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガチャ…」
いつもより余計におつり落ちてる?
残念ながらそうじゃなく
おつりはすべて50円玉と10円玉だった。
「何よこれ?おつりがないなら最初からそう言いなさいよ。
わかってたらここでなんか買わなかったわよ!」
さなえさんはふくれっ面をしていた。
ついでに小銭入れもふっくらしていた。
そんじょそこいらのさなえさん、
自販機であったかいお茶お買い上げ。
「ゴトゴトゴト」
なんと三本落ちてきた。
「ラッキー!、たまにはこんなこともなくちゃね」
でもそうでもなかった。
取出し口が予想以上に狭く、
詰まって結局一本も取り出せなかった。
さなえさんは心の中で叫んだ。
「こんなことでくじけるとでも思って?
私の人生は…
私の人生はこんなもんじゃないの!」
さなえさんは夕日に向かって去って行った。
そうだ、いいことあろうとなかろうと
さなえさんはさなえさん
なのだ。