白銀の道遥か

　
　最初にクルマの異変に気づいたのは、朝の通勤途中。
　いつのまにか警告灯がついている。
　おや？と思ったものの、それでも会社にたどり着いたので、帰りにディーラーでみてもらうことに。
　
　仕事を終え、走り出してしばらくすると、やはり警告灯がつきだした。
　それでも走って、信号待ち・・・。
　と、突然、エンジン停止。しかも、エンジン始動不能っ！　
　クルマの通りのある道路で渋滞必至。　
　電話したりして、あたふたしてると、機動隊がかけつけてくれ（空港近くなので。）、最寄の某猫の宅急便の敷地内までクルマをおしてくれた。　

　あらかじめ、帰りにディーラーに寄ると連絡してあったのが幸いした。
　ＪＡＦのレッカー車を手配してくれた。
　とはいえ、一時間待ちという。冷えきったクルマの中で待つ。　

　さらに困ったことは、明後日に、このクルマを使って旅行の予定があったこと。
　我が家には、もう一台クルマがあるものの、スキーを兼ねた旅行の為、そのクルマでは用途にあわない。

　車内で待つこと一時間。レッカー車到着。
　前輪だけ持ち上げるタイプのレッカー車なら台数があるらしいのだが、まるまる荷台に積み込むタイプの手配に時間がかかったらしい。
　結構、遠くから駆けつけてくれた模様。
　クルマが荷台に積み込まれると、助手席に乗って道案内しつつ、ディーラーへ。
　すでに９時を過ぎ、真っ暗になったディーラーにひとり待っていてくれたＩ氏に感謝。
　とりあえずクルマをあずけ、代車で帰宅。
　クルマは直るのだろうか。直らなければ、旅行に行く為のクルマをどうにかしなければ。
　スキーが積めて、万が一、路面に雪があった場合の事も考えたいけど・・・。

　レンタカーも考えたが、クルマの修理が間に合うとのこと。
　充電機がダメということで、オルタネーターとバッテリーを交換。
　日曜は修理が休みのところを押して、やってくれるという。
　寒い夜に、多くの人びとの暖かさに触れ、晴れて旅行に出かけられることに。　

　今回の旅の目的地は、奥只見。
　映画にもなった「ホワイトアウト」のモデルでもあるこの地。
　映画では黒部ダムだったようで、原作には「奥遠和」と名をかえて登場するが、奥只見湖、スキー場、それに至る道路シルバーラインは、読みばそれとわかる。
　ここのスキー場は、その大雪とシルバーライン閉鎖の為、ハイシーズン中は一旦閉鎖されてしまうのだ。
　去年。福島側から尾瀬に行った際、足をのばして、この奥只見湖の端まできている。
　そのときは、大雨の為の通行止めに行く手を阻まれ、謎の（？）山菜ハンターのおふたりに、お土産をもらって引き返してきたのだった。

　当日。仕事を終えて、夜出発。
　いざクルマに乗り込むと、ナビの自車の表示位置がデタラメ、使い物にならない。電気系統を交換したので、狂ったのだろうか。（後に直ってたけど。）
　ナビはあてにならない。地図帳があれば大丈夫だろう・・・。
　って、これも途中立ち寄ったラーメン屋に置いて来てしまった。（＾＾；）
　とはいうものの、ほとんど高速道路。標識たよりにいっても、まず問題はなかった。

　前回同様、インターひとつ手前のPAで仮眠。
　明るくなりつつある外をみると、濃霧で真っ白っ！
　まさにホワイトアウト・・・？
　（注：ホワイトアウトとは、霧や吹雪で周囲が真っ白になり、視界がきかなくなること。）

　いや～。出来すぎてるな～。(^^;)
　いや、ホワイトアウトじゃ困るの・・・。　
　わずか、雲の向こうに薄っすら覗く太陽に望みをつないで・・・。　
　
　夜が明けるとＩＣを降り、いよいよシルバーライン突入！
　シルバーラインは、その全長２２Kmのうち１８Kmがトンネル区間。
　夜間は通行止めらしい。とはいえ、こんな薄暗い道路、誰しも夜中に通りたくはない。出会うのはテロリストか、はたまた・・・？！
　最後に長いトンネルが続く。このトンネルさえ抜ければ・・・。

　♪　ある日　トンネルの中　テロリストに出会った。そりゃアウトだろ！？

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