西Ⅱの曲輪予測図
西Ⅱの曲輪発掘調査報告
西Ⅱ曲輪
Ⅰ曲輪の西北,空堀を隔てて,西Ⅱ曲輪がある。両曲輪を分ける空堀は実効輻 14~16m (上幅13~15m), 現状の深さで7~7.5mを測る。曲輪内平場は、東西35m・南北50m余り,面積は約1639㎡である。
注目される遺構は,南側にある桝形虎口で,方形に12m×10m, 深さ2.5m掘り込まれ、かつては7.5m四方の平場がこの方形掘り込み内にあったと認められる。
この桝形虎口へのルート は空堀の堀底道からカーブを描く坂があって、桝形内で一旦入城者をプールする機能があった。おそらく凹状に掘り込まれる梯形と坂道であることから、戦時においては、埋め立てて虎口そのものをなくしてしまう「 形式」とみられ,之内大台城大手口と同じ手法によった。
地元では,この西1曲輪を本丸跡と呼ぶ方もあるが,1曲輪の西Ⅱ曲輪に面した塁壁上に出隅横矢の土塁がみられ,桝形虎口と西Ⅱ曲輪内への攻撃を意識しているので,やはり本丸に当るところはⅠ曲輪とみるべきである。
現状では北西の突出部が1mほど高い。これは,表門といわれる大手口と大手谷間を意識した物見台の崩れたものとみられる。また東側塁壁上に約18mの長さで土塁が残るが,現状での高さは50cmほどで,かなり大井戸側に崩れ去っていると認められ、東側塁壁斜面全体に亘り 崩壊した斜面と崩れた土砂が認められる。
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