KANさんが永い旅路へ出発されたことをつい先日知り、悲しみを感じている。
熱心なファンではなかったが、『まゆみ』と『丸いお尻が許せない』は、ふとした時に浮かぶ数曲の中に入っている。
前者はあのサイダーのCMの、後者は友人がやたら部活中に歌っていた影響からだ。代表曲『愛は勝つ』をはじめ、素敵な曲をたくさん世に生みだしてくださったすごい才能の塊だと思う。口にしたら顔が赤くなるような気持ちを、サラリと爽やかな音に載せて届ける才能。
例えば「愛は勝つ」って、普段の生活でなかなか言わない台詞だったんじゃないかと思うけど、この歌のおかげで、まあまあ照れなく言えるようになったんじゃないかと想像している。
例えば「愛は勝つ」って、普段の生活でなかなか言わない台詞だったんじゃないかと思うけど、この歌のおかげで、まあまあ照れなく言えるようになったんじゃないかと想像している。
本当は言ってみたいこと、本当は言われてみたいことを、KANさんみたいにダサいと秀逸のギリッギリのラインで詞/詩にして言えるようになりたい。
それでも言えなくて、『言えずのI LOVE U』を作れるくらいに、恥ずかしさを味わい尽くして、這いずり回って、地の底からやっとこさ、ようよう、ふーっと咽頭の隙間から、本当のことを吐き出してみたい。
そうだ、思い出したよ、KANさん。わたしは子供の頃、歌手と詩人になるのが夢だった。息をするように自然な自己表現のお手本をみせてくださってありがとうございました。頭にあなたの歌がまた浮かぶのを楽しみにしています。