大阪商業大学高等学校サッカー部

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山梨学院が涙の初優勝 大会前に100キロ走破、自信に

2018年09月13日 10時45分50秒 | 心・技・体
全国高校総体(インターハイ)サッカー男子決勝が、8月13日に三重交通Gの杜鈴鹿で行われ、山梨学院(山梨)が桐光学園(神奈川)を延長の末に2−1で下し、初優勝に輝いた。インターハイ2週間前に4日間100キロを走り切り、それが自信につながった。(文・写真 白井邦彦)

試合が動いたのは前半21分。桐光学園が右サイドを崩し、最後はエースのMF西川潤(2年)がヘディングで押し込み先制した。このまま、桐光学園が主導権を握るかに思われたが、逆に山梨学院が持ち味の走力を生かして攻め立てた。だが、体を張った桐光学園のディフェンスを崩せず、前半0−1で折り返した。

後半は一進一退の攻防が続いたが、両チームともフィニッシュが決まらない。桐光学園の1点リードのまま試合は進んでいった。



「ポジティブに、声をかけ続けた」
早く同点に追いつきたい山梨学院だったが、焦る気持ちを抑えて自分たちの走るサッカーに徹した。MF平松柚佑(2年)は得点が奪えない時間帯も諦めずに声を枯らしてチームを鼓舞した。

「いつもだったら、イライラしてマイナスの言葉をチームにかけてしまうんですけど、今日は“笑顔で”とかプラスの声をかけた。大会を通して、そういう気持ちの余裕ができたのが、自分の成長できた部分かなと思う」

そんな平松の思いがチームに届いたのか、後半アディショナルタイムにFW宮崎純真(3年)が劇的な同点ゴールを決め、勝負は延長戦へ突入することになった。



「大会前の100キロ走が自信に」
本大会を迎える2週間前、山梨学院の部員たちは、4日間で100キロを走るというノルマを与えられた。同点ゴールを挙げた宮崎は「部員全員で乗り越えたんですけど、本当にきつくて…。でも、あれを乗り越えたという経験は自信になりましたし、延長に入ってもやれるという気持ちの余裕につながったと思います」と話す。

延長前半5分。その宮崎が左サイドからドリブルで仕掛け、シュート気味の早いクロスボールを中央へ折り返した。それが相手DFに当たってオウンゴールを呼び込み、ついに逆転に成功する。この得点が決勝点となって山梨学院が初優勝した。

試合終了のホイッスルがピッチに響いた瞬間、泣き崩れて喜んだ主将のDF西澤俊(3年)は「自分たちの代になってからなかなか勝てなくて。プリンスリーグでも5連敗という不甲斐ない結果を残していた。キャプテンとして苦しかったし、その分、うれし涙が止まらなかった」と、人一倍、喜びをかみしめていた。



【部活データ】1969年創部。部員115人(3年生35人、2年生41人、1年生39人)。全国高校サッカー出場6回、2009年の88回大会に優勝。インターハイ出場は5回目。スローガンは「堅忍不抜」。最後まで諦めずに走るサッカーを信条としている。



「2018年8月14日 高校生新聞オンライン掲載」
http://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/4347

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