5月8日
■ギリシアという国は、だいぶ大昔の話ですが、労働はバカにやらせといて、賢い人間は働かず広場で哲学的なおしゃべりをしているような国だったと言い伝えられている。
■近代化が進み、国が国らしくなってくると、さすがに誰もが働かざるをえなくなるわけだが、現代ギリシアの公務員はルーツを辿ればこの働かず広場で哲学的なおしゃべりをしていたような人間に行き着くのだろう。
■この国は公務員が何人いるのかもわかっていない。10年くらい前に建国以来はじめて公務員の数を数えた。だいたい25%が公務員だった。正確な数字を出せたわけではない。インドの戸籍と同じくらいテキトーだ。
■そして10年だか11年に国家レベルの粉飾決算があきらかになる。ユーロ危機の火種となった。
■大昔のギリシア人は率直に労働を軽蔑していただけだったのではないか。しかし、その後のギリシア人は世襲やお金で公務員の職を買い、税金を納めるのはバカの勤めだと思っている。プラトン流の公僕の精神など誰も持ち得ようがない。
■公僕の精神は欲望の抑圧にすぎない。金銭は欲望と不安が表裏一体となった同じ一枚のメダルである。
■人生は恐れることさえしなければそれは素晴らしいものだ。あとは少しの金があればいい。チャールズ・チャップリンが言っていたことである。