彼が昔仕事してた場所
港の近く
あれがこうとか
あそこはああなってたとか
なるほど、こういう風になったわけねとか
仕事モードに
切り替わる彼の顔が好き
2人きりになった時は
誰よりも甘えてきて
誰よりもわたしを甘えさせてくれる
彼が好き
Aの奥さんの話になって
うんうんって
黙って
うなずいて聴いてた
彼は優しいから
わたしの顔を見て
こんな話ごめんって
キスをして
別になんとも思わないんだけど
彼のこういう
相手の繊細なとこまで
気遣おうとしてて
ほんとにほんとに
やさしいの
いつものように
バイバイの時間が
来ても
私は振り向いたら
きっとまた
戻りたくなる
だから、
絶対に振り向かないのに
彼は多分
私が消えるまで
ずっと見送ってくれてる
そんな彼の優しさに
溺れてしまったら
ダメだと言い聞かせて
家路に急ぐ私がいた