雑誌新宗教は戦前最大の新宗教となった天理教の周辺にあって、天理教改革を叫んだ孤高の知識人・大平良平が大正四年四月から大正五年八月まで発行していた個人雑誌である。
本誌は天理教教会本部からすると異端的文書とされるらしい。本部機関誌には「昨年来大平良平なる者、猥りに本教に関する書籍を発行し、独断なる言説をなしつゝあるが、右は本部に於て認めざるは無論、一般教会に於ても、斯かる言論に惑溺し、深大なる教祖立教の神意を没却し、信念の動揺、信仰の蹉跌なき様、堅く戒慎せられん事を警告す」などの声明がたびたび出された。
しかも大平が分派的潮流に荷担し、またその後すぐ三十歳の若さで死去したこともあって、彼の名も本誌の存在も時とともに忘却の彼方に追いやられていった。雑誌は散逸し、天理図書館でさえ本誌を閲覧することが不可能となっている。
本ブログは大平良平発刊 新宗教より現代社会生活や宗教生活に必要と思われる記事をランダムに記載していく。