KAIGAN

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水谷修という男

2005-02-28 02:45:03 | View
この人は凄い。
これほど責任感が強い人間を、私は見たことがない。

土曜日の午後11時、ぼんやりとテレビを眺めていた時のことだ。
3チャンネルに替えた瞬間、私はハッと目が覚めた。威勢のいい声を放つのは誰だ?
テレビ画面を見ると、眼鏡をかけたひげ面の中年男性が目に飛び込んできた。
どこかの中学校で講演している。流暢で魅力的な語り口、誠に雄弁である。
それが水谷修という男の第一印象であり、出会いだった。

光があれば、闇もある。
それは日本社会だって例外ではない。
薬物乱用、性的虐待、リストカット、いじめ、自殺、不登校、ひきこもりetc.
これらの問題が示す通り、薄暗く、貧しく、汚れた世界が現実に広がっている。
社会の闇の部分に対して無知であれば、光の世界に住む私達の大半は幸せに暮らせるだろう。
世の中、知らない方がいいことだってある。たとえ知ってしまっても、目をつぶっていればいいだけだ。
しかし、どうだろう。助けを求めている声に耳を塞ぎ、それを無視する行為は許されるものだろうか。

例えば、ドラッグに犯された人間、麻薬常用者。
人格をなくした人間は、やがて周囲の人さえも傷付けていく。
だが、彼らの本心は自傷行為でも殺傷行為でもなく、生への欲求にあることを見抜かなくてはならない。
生きたいのだ。クスリに溺れるのは、ただひたすらに生きたいから。その感情が根底にはある。

VSドラッグ。

では彼らの欲求に応え、彼らを闇の世界から救い出すために我々がすべきことは何か。
まず、彼らが不満や疑心から現実逃避に走っていることを、我々が理解することが先決だ。
そして、本来の人間性を回復するために、誰かが彼らを更生させていく。専門家の力が必要だ。
更生したら、実社会に再配置する。眩しい太陽の下、彼らは新たな人生の一歩を踏み出すだろう。
以上の手順を踏むことで、ピースの欠けたパズルはようやく完成に近づく。決して焦ってはならない。

歯車は既に狂っている。
凶悪な事件、犯罪が起きないことを祈るだけでは何も解決しない。
防衛策や予防策をいくら講じたって、根本的な原因を排除しなければ無意味に近い。
もはや日本は、暗黒の時代に突入してしまったと言える。闇の部分を見れば明らかだ。
闇には実体がない。それでも我々は連携、協力して、この問題に挑んでいく必要がある。
我々は今こそ、社会の闇と向き合う必要性を自覚し、悲痛な叫び声に耳を傾けるべきだ。
早ければ、早い方がいい。「遅かった・・・。」では済まされないのだから。

水谷先生のように情熱的、尽力的に生きてみたい。私にも出来るだろうか。

いいもんだよ、生きるって~夜回り先生・水谷修のメッセージ~(ETV特集)
今回はアンコール放送だったようだ。再放送のチャンスはまだ残されていると思うので、
未見の方はNHKに問い合わせ、ご要望してみて下さい。番組を録画することを、強く勧めます。
(追記)同番組はDVD化されています。余裕のある方は、DVD版をご覧になってみて下さいm(__)m

【水谷修関連ウェブサイト】
夜回り先生(公式ホームページ)
水谷修先生の夜回り日記(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
水谷修の春不遠(サイバー高文研)
水谷修インタビュー(ふらっと)
水谷修インタビュー(Yahoo!ブックス)
水谷の遺伝子-DNA of yomawari-sensei


NHKスペシャル「インド洋大津波~映像で迫るその全貌~」も見ました。
海岸から高台へと逃げ惑う人、濁流に飲み込まれる人、そして叫び声、泣き声etc.
恐怖以外の何物でもありません。津波の圧倒的な破壊力に、私は言葉を失いました。

死者、行方不明者あわせて30万人という未曾有の大災害となった今回のスマトラ沖地震。
津波に対しての危機管理、危機意識の欠如が被害をさらに拡大させたと分析されています。
とはいえ、日本に住んでいる私は、その悲惨さや影響力に対して、実感を持つことが出来ません。
しかしながら、多くの人命が犠牲になったことがどれだけ凄いことなのか、改めて危機感を覚えます。
生存しているべき人間が亡くなったことで、21世紀は大きく内容を変える(変えられた)ことでしょう。
彼らの死を無駄にしないためにも、いい方向に傾いてくれる(くれた)ことを私は望みます。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夜回り先生 (True)
2005-02-28 09:41:05
2冊ほど本、持ってます。泣きましたよ。

この人のエネルギーは本当にすごいと思いますよ。



本当は社会全体がこの人のようになるべきなんですけど…。



そういや、金八先生でもここのところ同様の話題扱ってますね。

普段ドラマは見ないんですけど、興味深く見てますよ。
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リスペクト (タツヤ)
2005-03-01 21:10:56
凄いとかしか言いようがない。

圧倒的な存在感、そして献身性。

本当に心から頼れる人物と思いました。

ただ、水谷先生自身の健康状態が心配されます。

多忙であるということは、それだけ日本社会が

荒廃しているということなんでしょう。悲しい現実です。

水谷先生が過労で倒れないようお祈り申し上げます。
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夜回り先生 (わかすぎけん)
2005-03-10 17:19:39
TBありがとうございました。

一人の人間として、水谷先生を尊敬し、

応援しています。



先生を応援して下さる方が、そして、実社会において、

その方の考えるどんな形でもいいから、社会に還元して

下さる方が一人でも多くなることを節に願っています。



先生にしか出来ないことはもちろん他の誰にも

出来ることではないけれど、我々にも出来ることは

必ずあって、それは、本当に些細なことかもしれ

ませんが、そのことの重要性はまだ気づかれていない

場合の方が多いと思います。



当たり前のことすら出来なくなってしまっている

この世の中。次はどんな行動に移すかだと思って

います。



これからも宜しくお願いします。
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>わかすぎけんさん (タツヤ)
2005-03-11 00:13:44
初めまして、こんばんは。

本日、応援HP及びブログを発見致しました。

僭越ながら、トラックバックを差し上げた次第です。



水谷先生の偉大さを感じずにはいられません。

相談に当たっていた少年・少女たちが自殺してしまったことに対して

「私が殺したんだ」と断言されていたことが、何よりも印象に残っています。



ただ凄く残念なことは、先生ご自身が

「リンパ腫」に犯されている、という事実です。

先日、ガンによりご逝去された飯島夏樹さんのことが思い出されました。

http://www.shinchosha.co.jp/tenkimi/top.html

余命のことを考えてしまうと、遣る瀬無い思いに駆られてしまいます。

しかし使命感として、水谷先生の意志を受け継いでいく必要があります。

まずは、多くの人に関心を持ってもらうために行動すべきなのでしょう。

これまで水谷先生が地道に活動なされてきたように、

我々一般の大人も子供たちと向き合わなければなりませんね。

カウンセラーや精神科医の方の意見も取り入れ、

社会全体でこの問題に取り組んでいくべきだと私は思います。



今回の記事は、どちらかといえば

水谷先生をご存じない方に向けて執筆致しました。

薬物乱用や自殺未遂など現実に起こっている諸問題。そして、それに対し

孤軍奮闘する水谷先生の存在を、多くの方に知ってもらいたかったからです。

現在の私は、こうして記事を書き、世に訴えていくことしか出来ません。

微弱ながら、問題解決の糸口になってくれればと願っています。



P.S.水谷修関連ウェブサイトに「水谷の遺伝子」を追加させて頂きました。

こちらこそ、よろしくお願いしますm(__)m
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講演会 (坂本)
2005-06-06 19:07:40
この前、栃木県でおこなわれた、講演会を見させていただきました。(本も)とても感動してしまい、涙が出そうになりました。もうちょっと近くで聞きたっかたのですが、部活で出遅れてしまい、遅れてしまいました。またきてください。
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坂本さん、初めまして (タツヤ)
2005-06-07 08:39:03
もし誤解されていらっしゃるのであれば、訂正させて下さい。

私は水谷先生本人でもなければ、氏の関係者でもございません。

講演会や書籍の感想は、水谷修公式ホームページにアクセスして頂き、http://www.sanctuarybooks.jp/mizutani/

ご意見・ご感想メールをお寄せ下さいますようお願い申し上げます。
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感動しました (のぞみ)
2006-04-25 20:53:18
私は、中1の女子です。夜回り先生の本を読んで感動しました。友達と2人で感動、感激しています。   
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のぞみさんへ (タツヤ)
2006-04-27 22:09:29
初めまして、こんにちは。

もし機会があれば、水谷先生を映像でご覧になってみて下さい。

真剣な眼差しや熱い思いが強烈に伝わって来ますので。

この度はコメント、本当に有難うございました。

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