今日11月3日は、日本国憲法公布66周年の日です。
自民党・安倍総裁、「橋下・維新の会」や「石原新党」などが、集団的自衛権の行使や統治機構を変えるなどと言って解釈改憲や明文改憲をすすめようという動きが強まっています。また、民主党政権下での「税と社会保障の一体改革」により、憲法25条をはじめとした国民の権利を奪いさる政治が進められようとしています。
こうした憲法と現実政治が乖離した状況を、憲法を変えるのではなく、憲法を守り、生かして現実政治を変えていく運動がいっそう強めていきたいと思います。
憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)が、憲法公布66周年にあたって「声明」を発表しましたので、以下に紹介いたします。
声明 憲法公布66年に当たって─今こそ憲法を学び、広げる時。「改憲反対、9条守れ、憲法を生かそう」の世論と運動で憲法への逆流を阻みましょう
2012年11月3日
憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)
1.日本国憲法公布66年の今日、憲法を守り、生かすたたかいは、新たな正念場を迎えています。
民主党政権3人目の野田佳彦首相は自らが改憲論者であるだけでなく、名うての改憲論者を引き連れて内閣改造をおこない、集団的自衛権行使容認論議をくりかえすとともにその既成事実づくりを重ねています。自民党新総裁に、かつて「任期中の改憲」をぶち上げ、教育基本法改悪と改憲手続法成立を強行し、国民の猛反発の末、政権投げ出しを余儀なくされた安倍晋三氏が就任しました。加えて、「維新八策」とその中で憲法改正や9条の賛否を問う国民投票をうたうなど反動を丸出しにした橋下・維新の会が、国会に乗り込んでいます。
憲法は、こうした民主党の自民党化、自民党の一層の反動化、反動的逆流の突撃隊=橋下・維新の会などが相呼応してつくりだしている反動的逆流にさらされています。
2.憲法をめぐる焦点の一つは、集団的自衛権行使容認、9条の解釈改憲の動きです。
今年7月6日には政府の諮問機関・国家戦略会議フロンティア分科会が、従来の集団的自衛権行使を禁じた政府見解の変更案を報告、野田首相は報告の尊重を明言しています。しかも、「米軍4年ごとの戦略見直し(2010QDR)」をうけた新防衛計画大綱(10年12月17日決定)は、これまでの「基盤的防衛力構想」を「動的防衛力の構築」に格上げし、今年5月1日の日米首脳会談で「動的防衛協力」を掲げ、オスプレイの配備・訓練強行や領土問題を口実にした日米共同離島奪還訓練・洋上訓練の企図など集団的自衛権行使の実体づくりが次々強行されています。さらに自民党は、「国家安全基本法案・概要」を決定し(12年7月6日)、国連の名の下に集団的自衛権行使を可能とする方針を示し、今臨時国会の代表質問でも集団的自衛権行使容認を求めています。
3.明文改憲の動きも顕著です。憲法審査会の活動と結び、自民党は12年4月27日、「日本国憲法改正草案」を発表しました。それは天皇元首化や「国防軍」の保持、緊急事態条項の創設、公益及び公の秩序による基本的人権の制限、国民に憲法遵守を求めるなど憲法の原則を覆す内容です。橋下・維新の会は首相公選制や96条・改憲発議要件の緩和などを主張しています。みんなの党や日本青年会議所など改憲を掲げる政党や団体も改憲案を次々発表し、最近では「憲法無効」「自主憲法制定」を叫ぶ石原慎太郎氏らの言動もマスコミにもてはやされています。
4.「3・11」以降多くの国民は、「黙っていたらいのちも暮らしも平和も守れない」とさまざまな課題・分野で立ち上がり、広範な共同にもとづく国民的運動の大きな高揚を作り出しています。その中では、国民の要求の一つ一つが憲法を生かすことによって実現することが明らかになっています。今こそ、憲法を学び、生かすべきときです。憲法への攻撃を許さないたたかいを、力合わせ進めようではありませんか。
憲法会議は、憲法を学び、広げ、共同の力で「改憲反対、9条守れ、憲法を暮らしの隅々に生かそう」の世論と運動の発展を呼びかけ、その実現に奮闘する決意です。
以上