本日、特定秘密の保護に関する法律が施行された。
当連合会は、本法律に対して、国民の知る権利を侵害し国民主権を形骸化するものであるとして、法案段階から再三にわたって反対の意見を表明してきた。その理由は、国が扱う情報は、本来国民の財産として国民に公表・公開されるべきものであるにもかかわらず、本法律は、行政機関が秘密指定できる情報の範囲が広範かつ曖昧であり、第三者のチェックができず、チェックしようとする国民、国会議員、報道関係者等を重罰規定によって牽制する結果、主権者国民が正しい意思決定を行うために必要な情報にアクセスできなくなるからである。
2014年7月26日に国際人権(自由権)規約委員会が日本政府に対して出した本法律に関する勧告意見においても、同様の懸念が表明されているところであり、その施行令や「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」等を考慮しても、これらの懸念は、何ら払しょくされていない。しかも、2013年12月の本法律制定過程においても、主権者に対する十分な説明は存在せず、国民的な議論が尽くされたとは到底言えないのであり、民主主義国家における主権者の信任を得たものとはおよそ評価できない。
したがって、まずは本法律を廃止し、制度の必要性や内容について、改めて一から国民的な議論を行うべきである。
当連合会は、政府に対し、改めて本法律の廃止を強く求め、引き続き本法律の廃止のための活動を行っていく所存である。
加えて、国民主権の確立のために不可欠な情報公開制度・公文書管理制度の改正、ツワネ原則に則した、国民の知る権利及びプライバシーの保護の規定を明文化する立法の実現に尽力するとともに、本法律が施行された後も濫用されないよう監視し続けることを表明する。
2014年(平成26年)12月10日
日本弁護士連合会
会長 村 越 進
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