☆その3 真夜中のパトロール

3月13日夜
夕方の「抱っこいっちょ周り」は成功。

夜またもや出たい出たい！！始まる。
もう一回周って来る。
また満足してササベットにぴょいん！
が、今度は５分後に出たがる。
効力が長続きしない～。

うーーーん。
ええぇい！わかったよ！
まんじゅうのご所望は「庭より外」のパトロールよね。
連れていったるわ！

マフラー・コート・フード、
胸にまんじゅうをくるんだいでたちで玄関から外へ。
風がごうごう言ってる。雨がぽつぽつ。

せっかく外まで出てきたのに満足してもらえなかったらもったいないので、
ちょっとまんじゅうを下ろしてみる。
少し歩いたら帰ろう…そう思ってた。

とことことお向かいの家の前まで歩いたまんじゅう。
そこで、水溜りの水をちろちろと飲み始めた。

え？

ここ数日自力ではまったく水を飲んでなかった。
ムリヤリシリンジで水を口に入れると、
ひどく嫌がって10ccも飲んでなかったのに。

飲んでる。飲んでる。飲んでる～～～！？

まんじゅうが移動する。
また別の水溜りで水を飲む。
あ、すぐやめた。そして別の水溜りを探してる。
次から次へと水溜りをはしごして、飲んでみてる。

もしかして、
雨水にはなにか特別な力があるんじゃないのか？

もしかして、
野良猫だったまんじゅうは今まで、
そうやって自らの体を病気から回復させていたのではないのか？

効く水を（泉）探しているのか！！？


もしかして、
このままココでまんじゅうを放ったほうが、
まんじゅうは生き残れる確率が上がるのか？？！

嵐の中、悩んだ。

あ、でも大王にも相談してみなきゃ。
勝手に放してまた帰ってこなかったら、
それなりの覚悟しなきゃならないんだし。
…そう思い、まんじゅうを抱っこして撤収！

事情を大王に話してみる。
「放つ？反対！！嵐だよ！？」
あぁ、そういえばずいぶんスゴイ風だぁ。雨も本降りになってきた。
興奮してて気が付かなかったやぁ。

うーん。ここは心を鬼にしなきゃ。

「今夜はお外あきらめてね！
この嵐がやんだら、必ずもっと遠くまで行こう！
そう！一緒に冒険に行こうね！」
まんじゅうに言い聞かせる。

相変わらず家の中の水はまったく飲まない…。

何とかササベットに寝かしつける。


続く






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