☆闘病中のある日のお話。 その2

パトロールに出かけたまんじゅうは帰ってこなかった。

思えば週末からまんじゅうは辛い思いばかりだったはずだ。
入院・点滴・何本もの注射・初めてのケージでの夜明かし。
歯石がひどいとはいえ麻酔ナシでぐらぐら歯を抜いたのも辛かったろう。
腎不全にいいといわれるＨ4Ｏ、口内炎にいいと言われるササヘルス、
栄養補給のスープ、抗生物質の水薬…、
家に帰ってからもシリンジで口にいろいろなものを突っ込まれるのも辛かったろう。
出たい出たいといつものように窓の前で主張するも出してもらえないのは一番辛かったろう。

やっとでかけることが出来て、自由を謳歌しているのかもしれない。

…それなら仕方ないか。それもいいのかもしれない。
ムリヤリ納得（したフリ）してみたりする。

まんじゅうが心配で幽霊のようになった私と大王。
「とにかくまんじゅうが帰ってくる事を信じて今夜は寝よう。
明日探しに行こう！」と大王
「朝になったらチラシを作ろう。まんじゅうの行動範囲のお家に配って回るの！」と私。

夜中に帰ってくるんじゃないかと、窓（寒くなんかない門）を開けっぱなしでうとうとする。
「3時半になったらいつものように夜中のパトロール終わらせて帰ってくる」
そんな気がしていた私はうたた寝していたにもかかわらず、
きっかり3時半に眼を覚ました！

…がまんじゅうは帰ってきてない。
確かコトンッと何か物音がした気がしたのに。


庭に出て呼んでみる。

「まーーーん」
普段なら呼んでから5分ぐらいするとひょっこり帰ってきたりするほど、
最近の私たちは仲良くなっていた。

なのに帰ってこない。

辛い思いをさせすぎたんだーーーーー。

「もうまんじゅうは私のことを嫌いになったのかなぁ…」とつぶやくと、
、
「そんなことないよ…。まんじゅうはお前のことが大好きだよ。
お前らすごく仲良かったよ。」
と大王が言ってくれる。

どこで寝てるのか。まんじゅう。

続く


















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