自分は仕事ができない方だと思う。というより、仕事ができすぎる優秀な先生方が、今の学校には多すぎる。頭の回転や物事の判断が速く、授業作りや生徒指導で、最適解?と思えるものをすぐに見つけ出すことができる。
自分もそういう風になりたいと思う。
ただ、そう思えば思うほど、自分のできない部分も明確になっていく。
忘れっぽかったり、上手くコミュニケーションを取れなかったり、授業が下手だったり。決して、優秀な教師の部類には入らないだろう。
以前は、そういうことをひどく気にしすぎて落ち込むことが多々あった。「教師やめようかな。」「自分には向いてないな。」と、言い聞かせて、仕事に身が入らなかった。(周りから悩みとかなさそうなどと言われるのは、人の悩みは表面的には気付くことが難しいからだろう)
でも、今は前向きに考えることができるようになってきている。
そう思考転換できた理由は2つある。
ひとつは、少しずつだが、自分の成長を実感できるし、こんな指導でも子どもが生き生きとする姿を見ることができているからである。体育参観日で、子供たちだけで話し合って、成功させようとおたがいを高め合っていた。教室で、自分たちでアイデアを出して面白い取り組みをしていた。確実に成長している。ただ受け身的に過ごすのではなく、主体的に動き出そうとする面白い人間になっている。
もうひとつは、自分の弱さを受け入れることができるようになってきたからである。
話すことが苦手だったり、計画性がなかったり、優しすぎたり、ワーキングメモリーが低かったりと、弱点を挙げればキリがない。
それでもいいじゃないか、と自分自身に言いたい。
弱さがあって当然。
そして、今は、また違う価値観を持ち始めた。
「弱い自分だからこそ、困りを抱える子供達に共感し、心から支えることができる。」
・勉強が苦手
・スポーツが苦手
・好きなことがない
・友達ができない
いろいろな悩みや困りをもつ子供に共感する力は、弱い自分だからこそできることなのではないかと思う。
そのためには、自分の弱さを認める、そして、前へ進んでいくことは忘れずに生きていく。
何のために教師をやっているのか、考えることがよくある。
自分なりの答えが出ずに、迷うことがあった。
他の先生方は、「教えるのが好きだから」とか「恩師との出会いがそう思わせた」とかを言う。しかし、自分にはそういう思いはない。
それは、自分の将来を考えずに、学生時代を悪戯に過ごしてきて、確固たる思いがないからなんだと思う。
でも、教員を4年もやってきて、少しずつ自分の思いを見つけることができてきた。
なんのために教師をやっているのか。それは、
「子供が自分のやりたいことを見つけ、人生をより楽しく過ごしてほしいから」
子供がどう将来を掴み取るのかは、子供自身が決めることだと思いがちだが、1番大きな要因は、子供を取り巻く環境だと思う。
アフリカの貧困地域の子供が、今を生きることに必死で、大きな夢を描くことが難しいように、子供にとって環境は、本人の考え方や生き方に最も大きな影響を与える。
ではなぜ、世界的に見ても平和な国である日本で、同じように自分の人生に迷い、よりよく生きることができない人たちが存在してしまうのか。それは、まだ未熟な子供たちが、自分でやりたいことを見つける力を、子供たちが1日の大半を過ごす学校で、身につけることができていないからだろう。
押し付けの価値観、知識の伝授、やらされるだけの活動。こんなものでは、子供にとって本当に必要な力が身につくはずがない。
本当に必要なのは、自分の思いを持つこと、自分を知ること、自分に自信を持つこと。
もっと、自分で自分の人生を作っていく力を、学校教育では身につけさせるべきだと思う。
どうすれば子供にとって本当に必要な力が身につくのか、これから具体的な方法を考えていきたい。
change education!