昨年から始めた雪山登山。今年も1月に赤城山、2月は茶臼岳(※いずれもアルパインツアー参加)に行って雪山の感覚と装備のチェックをしたりしてたのですが気がついたら春の兆しがちらほらと。こりゃいかんということで3月の連休を使って乗鞍岳に行ってきました。
夏の乗鞍岳は車で標高2700mまで行けるため北アルプスの中では初心者向けの山として取り扱われることが多いですが、冬山となると道路は閉鎖されるためそれなりの装備と脚力が要求される山(登り1000m, 下り1500m)になります。また、マーキングがほとんど無いため視界が悪い場合は道迷いによる遭難なども想定されるため注意が必要です。
公共交通機関を使ってのルートは松本駅からバスで乗鞍岳スキー場前で下車(直通は1日1本、それ以外は新島々駅まで上高地線で行く必要あり)。バス直通だろうが上高地線を使おうが往復チケットを松本バスターミナルで買っておくと便利です。往復3,300円だったかな。
バスターミナルで買った往復チケット。バスだけでなく新島々からの上高地線でも使えます。
今回は乗鞍高原スキー場で前泊しましたが、初日の時点で位ヶ原山荘まで登っておくと行程がかなり楽になります。というのも登りはスキー場のリフトを使うのですが朝動き始めるのが8時半(状況により遅れること有り)なので朝早く行動して下山が遅くならないようにする、ということができないのです…。ちなみに乗鞍高原スキー場の最上部はリフトを3本乗り継いだところにあり、そこから位ヶ原山荘まではこの本
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によると2時間なので、朝早めに出発すれば無理なく到着できます。
※ちなみに3月中旬の乗鞍高原の日の入りは18時前なので比較的明るさが続きます
また、松本までその日のうちに戻る場合、スキー場前からのバスが16:21、18:22の2択(※)なので、行程管理をしっかりしないと帰れなくなります。特に下山時はリフトが使えず(!)山頂から1500mの長い下りになるので気をつけましょう。
(※)バス時刻表:http://www.alpico.co.jp/access/kamikochi/norikurakogen/
3月18日、登山にしては遅い8時半から行動開始。リフトを3本乗り継いでスキー場の最上部まで登ります。三連休の初日ということもあり結構な登山客の姿がありました。とはいえスキー客9割、1割登山客という感じでしたがw
最上部からいきなり急な斜面の登りが始まりますが、それをすぎると少しなだらかなスキーツアーコースに出ます。
驚いたのがスノーシューの装備率。まあほとんど人がスノーシュー(ないしはバックカントリースキー)装備で、アイゼン使ってる人もほぼ全員ストックを使ってました。というのもですね、全ての行程がそうではないんですがまあ雪深くて歩くのが大変。肩の小屋から上はアイゼン必須(凍ってクラスト状態になっているため)なんですが、それ以外はスノーシューがあると確かに便利そうでした…。
ちなみに僕はというとアイゼン+ピッケルのみ!せめてストック持って行けば良かった。
この日は晴天。日差しが強く暑いくらいで途中L3くらいまで脱いでました。汗かいた分、水分補給もしなければならず、谷川岳の再現か?と若干不安になりましたw
スキーツアーコース終端、位ヶ原山荘と山頂の分岐地点。今回は剣が峰(山頂)にまっすぐ向かいます。
ここの登りがアイゼンだと踏み抜くこと踏み抜くこと…。
剣が峰が見えてきました。
右に見えるのが肩の小屋。
肩の小屋手前から山頂に直登する人もいました(写真中央)が、通常は朝日岳をトラバースするルートが安全です。
肩の小屋から朝日岳のトラバース手前近くになってくるとクラスト状の雪質になってきて風も強くなってきます。肩の小屋で装備を調えてから行くといいでしょう。
写真だと伝わらないですが!結構な勾配と風、固い表面に神経使ってますw
朝日岳のトラバースを過ぎると(写真撮るの忘れた…)稜線に出ます。ここまでくれば道幅もあり比較的楽に進めます。ただし風に注意。
山頂の鳥居が見えてきました。
ということで、山頂到達!すでに曇ってはいたものの風がそんなに強くもなかったので精神的にかなり楽でした。到着は12時40分、リフトの最終地点から準備・休憩含めて3時間半くらいでした。概ね予定通り。
山頂には既に4,5人いましたが、昼食休憩には十分なスペースが取れました。
乗鞍岳からは御嶽山がよく見えました。2014年9月の噴火からもう2年半。山に登る者として、鎮魂の思いと、山の危険性についての複雑な気持ちがいつまでも残ります。
さて、昼食をとってエネルギー補給したところで早々に下山します。なにせ16:21のバスに乗らなければ松本が20時着とかになってしまうので…。
雪山登山本によると下りは直降ルートになっていましたが怪我すると面倒くさいので(なにせ単独行)来た道を戻ります。急がば回れ。
肩の小屋まで戻ってくれば後は精神的には楽な道なのでサクサクと下山します。ただしマーキングがほぼ無いので周囲に人がいない時や視界が悪いときは道迷いに注意しましょう。
#僕も1回変なルートに逸れそうになりました。すぐ気づいて修正しましたが
下りはスキー場から歩いて降りるのですが、歩いて降りる人用の道など用意されていないのでゲレンデの脇をスキーヤーに注意しながら降りていきましょう。所々急勾配があるのでアイゼン等の装備はそのままがオススメです。
http://www.norikura.co.jp/snow/course/
雪山に関するガイド本。おおよその難易度と参考タイムが掲載されています。
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コースタイムは夏向けなので参考になりませんが、道迷い防止にこちらも。
山と高原地図 乗鞍高原 2017 (登山地図 | マップル) | |
昭文社 地図 編集部 | |
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今回のコースタイムと行程は以下の通り。リフト最終地点からスタートでトータル7時間弱(休憩時間含む)。16時前くらいに麓に付いたので16:21のバスはなんとか間に合った感じです…が何か予想外の事が起きたら即アウトなので本来は位ヶ原山荘泊が安全かと思います。
下山してバスに乗り、一息ついたときのツイート。ゲレンデは歩くところじゃない(真顔)