2019年の夏も9月下旬に入り、山小屋は徐々に小屋閉めの準備をし始める季節。例年通り大量に残っていた有給休暇を利用して白馬岳に行ってきました。秋雨前線、台風の影響を懸念していたのですが、今回はすばらしい好天に恵まれ、とても楽しい山行となりました。
日程としては、
9月25日(水)移動日、栂池ヒュッテに前泊
9月26日(木)栂池登山口から乗鞍岳、白馬大池、小蓮華山を経由して白馬岳山頂へ。後、白馬山荘で一泊。
9月27日(金)白馬山荘から大雪渓を経由して猿倉登山口へ下山
という感じでした。もう少し天候が持てば白馬山荘から白馬三山の残り(杓子岳、鑓ヶ岳)を縦走して白馬鑓温泉に泊まる、というプランもあったのですが、28日(土)は雨の予報であったため、早々に下山しました。
ルートはこんな感じ。栂池登山口からの縦走は極端な悪路や急登はあまりなく(※天狗原を越えた先に大岩の急登あり)、緩やかに標高を稼ぎつつ雄大な眺めを満喫できます。
9月25日(水)、スーパーあずさ3号に乗って白馬へ。スーパーあずさ(下り)はこの3号のみ白馬に直通運転します。(※ちなみに上りは14時37分に新宿行きが白馬駅から出ています。こちらも1日1本のみ)
栂池ヒュッテへはロープウェイを乗り継いで向かいます。楽は楽なんですが、乗り継ぎに待ちが発生したりするので朝イチに乗り継いで登山を計画する場合は時間に余裕を見ておいた方がよいかと思います。
ということで栂池ヒュッテに到着。当日は平日ということもあり、ヒュッテはガラガラとまでは行かないものの、かなり余裕がある状況でした。設備は山小屋としてはかなりしっかりとした作りで、お風呂にも入れます(ボディーソープ、シャンプー、リンス等あり)。
予約は https://www.hakuba-sanso.co.jp/yamagoya/tsugaikehutte.html にある番号へ電話して行います。
売店や自動販売機完備、
また洗面所から給水可能なので、水については困る事はまず無いでしょう。ただし、食料については菓子パン(あんパン、クリームパンなど)くらいしか携行食は販売していませんので注意です。※お弁当は予約またはチェックイン時に依頼すれば用意してくれます。
明けて9月26日(木)。薄い秋雲が出ているものの、気持ちの良い朝日を見ながら登山開始。
登山口は栂池ヒュッテすぐそばにあります。
序盤は木々に囲まれた道を進みます。
これから登る山々を横目に見つつ、体が登山モードに切り替わるまで黙々と足を進めます。登山って、最初の30分~1時間が我慢のしどころなんですよねー。
黙々と登っていると、尾根が見えてきました。空が青い!
第一チェックポイントの天狗原に到着!
流石標高2000m超だけあって、草木が色づいていました。秋山はいいですねぇ。
天狗原一体は湿原(?)になっており、しばらく木道を進んでいきます。
木道を抜けると、大岩のガレ場が。
大岩の道を進んでいくと、本日第一のピーク、乗鞍岳山頂に到着です。
乗鞍岳で一息ついたのち、ハイマツに囲まれた道を通って行きます。
白馬大池と、白馬大池山荘がはっきり見えてきました。良い眺めです。
左手には縦走予定の小蓮華山。
ここで給水と合わせて少々休憩を。栂池ヒュッテで購入した小倉あんぱんでカロリーチャージ。
気持ちの良い日差しのもと休憩&トイレ後、いよいよ小蓮華山-白馬岳へ向かいます。綺麗な砂利道が整備されていて少し驚きました。何か、スイスの登山道を思い出します。
この日は予報通りの好天で、心地よい風も吹いていて絶好の登山日和となりました。このころにはすっかり体も登山モードに切り替わっており、テンションは上がる一方でしたw
雲が秋めいてますねー。巻雲(けんうん)、でしょうか。
白馬大池山荘からの雷鳥坂を登り切りーー雷鳥は見かけなかったし鳴き声も聞こえませんでしたーー、船越ノ頭に到着。とはいえここは通過点。ここから小蓮華山山頂までコースタイム2時間の上り道。
アップダウンはあれ、キツい急登があるわけでないのでゆったりのんびり景色を満喫しながら進みます。いやー、ここまで綺麗な稜線歩きは鹿島槍ヶ岳 以来かもしれません。
時折振り返って歩いてきた道をしみじみと眺めたり。やっぱり山はいいなぁ。
ゆったりのんびり(息は切れますがw)進んで小蓮華山山頂に到着!
山頂で次なる目的地、白馬岳を眺めつつ休憩。どうですこの眺め。最高以外に言葉が見つかりません。
白馬とは反対側(北)に見えるのは雪倉岳(200名山)かな?雪倉岳方面に進むと朝日岳(300名山)。休憩中に会話したおじさん曰く、「朝日小屋のご飯は美味しいので一度行ってみるといいよ」とのこと。ググるとたしかに「ボリューム、バリエーションともに満足」のような記事が。無限に休みと不労所得が欲しいですねぇ(笑)。
小蓮華山の草紅葉、緑の木々、雪倉岳と雲の白、そして青空。いやぁ、語彙力が足りません。
いつまでも風景を眺めていたい気分ではありましたが、白馬岳に雲がかかってしまう可能性があるので出発。これまた綺麗な稜線。
しかし人がいません。すれ違う人もまばらなので、スマホでグレートトラバースのプレイリストを流しつつ歩いてみたりしてました。
白馬岳方面と雪倉岳方面の分岐、三国境に到着。ここからはコースタイム1時間ほどの上り。なんとか雲がかからないうちに登り切れそうです。
三国境からはやや急登となりますが、つづら折りの道になっているのでゆっくり歩けば問題ありません。
ヘリが飛んでました。荷物運搬用か、救急用か…。
最後の上り。ここも綺麗に色づいてますね。
登頂!誰もいねぇ!w
この風景指示盤、新田次郎著「強力伝」で有名らしいのですが、未読でしたので今から読みます(遅い)。
ここでもまったりと風景を楽しむ。すこし雲が出てきたかな?
しばし山頂を堪能したのち、今日の宿泊地である白馬山荘へ。歩いて10分くらい。
見えてきました。見た瞬間出た言葉「デカっ!」。流石日本有数の大きさを誇る山荘です。
白馬山荘創始者、松沢翁のレリーフ。
到着!相変わらず人がまばらでちょいさみしい感じもします。シーズン時は人がすごいんでしょうねぇー。
受付で予約している旨を伝え、料金支払い。これだけの晴天にもかかわらず、中は暖房をつけてました。確かに日差しがあたらないと冷えるのかもしれません。
部屋は6人の相部屋、二食付きで10,300円也。一応個室にしたらいくらになるか聞いて見たところ、(確か)+8000円とのことでした。
指定された部屋(6畳部屋)に入ると誰もいなさげ。このまま誰も来なければいいなー(最終的には4人となりましたw)。
荷物を置いて、外へ戻る。相変わらず良い天気です。
お昼ご飯をとっていなかったので白馬山荘の山頂レストラン「スカイプラザ白馬」でご飯!と思っていたのですが、なんと営業が9/23で終了したそうで、タッチの差で残念賞。仕方ないので受付の売店でカップ麺とビールを調達(お湯は用意してくれます)。まあこれはこれで。
美味い。
カップ麺食べて、ビール飲んで、散策して、ベンチで寝転がっていたらそろそろ日が暮れてきました。
夕食は夕暮れよりも早い17時。手早く食べ、夕日鑑賞へ。
日が沈むと本当に何もすることが無くなるんですが、白馬山荘の談話室にはテレビが置いてあるので消灯の9時前までずっと談話室でニュース見たり本読んだりしてました。談話室にはドコモの電波(4G)も普通に入っていたので、普通の山荘よりはかなり利便性高し。
訪れた有名人たちの色紙が飾ってありました。当然、この方の色紙も。
明けて9/27(金)朝5時。まだ夜明け前に朝食。この日は猿倉へ下山するだけなのでのんびり。逆に、栂池方面へ向かう人などは今日の天気が下り坂であるためか、食事後、早々に出立していました。
白馬山荘からは日の出は見られないため、少し登った所に移動します。何も考えずにサンダルで移動したら思いのほか急な坂だったので登山靴で移動することをおすすめしますw あと、防寒着(手袋も)をお忘れ無く。
さて、綺麗な日の出も見られたし、出立の準備に戻ります。
下山後のスケジュール(日帰り温泉とか)を計算し、6時半ごろに出発。猿倉登山口まではおおよそ4時間弱(コースタイム)。
分岐に到着。大雪渓方面に下りていきます。…よく調べてみると、ここから欅平(※)方面に行ける(コースタイム8時間40分)んですねぇ。いやぁ、無限に休みと不労所得が(ry
(※)富山県黒部市にある黒部峡谷鉄道の駅があり、また「下ノ廊下」として有名な水平歩道の出発点(到着点)でもある。
と、ここでカメラ(Panasonic GM1)のズームリングに異常が発生!空回りしてまともに使えない(※)ので、ここからは3年以上使っている老兵iPhone 7+のカメラで撮影をすることに。
(※)帰宅後、調べてみるとGM1によくある事象のようで、パナソニックのサポート受付へ修理に出したら送料のみでレンズを新品に交換してくれました
沢沿いの急な下りを進んでいきます。
沢を横切る橋を渡る…慎重にしていたつもりだったのですが、橋の黒い部分を通過中、一瞬足が滑って焦りました。転倒まではしませんでしたが、声は上がりましたw
大雪渓が見えてきました。一年で今が一番雪が少ないのかな。下山後のタクシーの運転手さん曰く、相当な勢いで雪渓の規模が年々小さくなってきているとか。
雪渓の端に到着。
ここまで下りてくる間に何回か落石の音が聞こえていたので、(問題ないルートとは言え)少々緊張気味。
白馬駅や山荘では軽アイゼンを推奨していましたが、今回はチェーンスパイクを持参。これで十分でした。
登って来る人は何も着けずにいる人が多かった気がします。
大雪渓に限らずこのルートはマーキングがしっかりしているので、きちんと確認して進みましょう。
短い雪渓を抜けて、細い沢沿いの道になりました。ここの道が急な下りな上、足下には浮き石と崩れまくりの砂利だらけでかなり歩きにくい。
この日は金曜日で登ってくる人もそこそこいたためかなり慎重に動いていたのですが、一度足下の砂利ごとすっ転びました。ここは上りもキツそうだけど、下りもかなり面倒でした。。
猿倉まであとちょっと。途中、白馬尻小屋に立ち寄りましたがすでに小屋閉め後の撤収作業中で、給水できず(沢の水(未消毒)は利用させてもらえたので洗顔は可能でした)。まあこの時点で水が1リットル弱残っており、白馬尻小屋からは1時間とかからない道のりなので問題はありませんでした。
と、急に山道から整備された道に。小屋閉め作業用と思われるトラックが停車していました。
ここからは車が通過できるほどの道なので、サクサクと進めます。
白馬鑓温泉からの登山道との合流地点。ここまでくればゴール地点はすぐそこ。
ということで猿倉登山口に到着、下山完了!
9月以降の平日はバスが運行していないので、タクシーを呼び、白馬の街に戻ります。
下山後の日帰り温泉は「みみずくの湯」にしました。白馬三山が綺麗に見える露天風呂が最高です。食事は「温泉うどん」が名物のようですが、休憩スペースが非常に小さい(狭い)のでパスしました。
ということで、晩夏から初秋に変わる季節の白馬岳への山行は好天にも恵まれ、大変充実したものになりました。
さて、次はどこに行こうかな?
おまけ)訪問した白馬村スポット
THE NORTHFACE「GRAVITY HAKUBA」
駅前近くにあるアウトドアショップ「白馬ヤマトヤ」
Northfaceの白馬村限定Tシャツを買いました。白地に青(ネイビー)プリントを探していたのですが結局ここでしか見つかりませんでした。
白馬駅前の喫茶店「藤屋食堂」
初日のお昼ご飯やコーヒー休憩などに重宝しました。時期にもよるでしょうが人もそんなに多くなく静かで落ち着くお店でした。ただ、開店が11時くらいなので注意。アイスコーヒー300円とかだったような。
(たぶん)白馬観光案内所
いろいろ看板が出てるけど、要はバスのチケット、ホテルの手配、観光スポットの紹介などをしてくれる観光案内所。なんとなくグリンデルワルトの観光案内所を思い出しました。
帰りは長野駅から新幹線。白馬駅から11時10分出発の長野駅行き一番バスを利用。
HAKUBA COFFEE STAND
帰りの朝、バス出発までの時間こちらに訪問。水出しコーヒーを頂きました。禁煙なので安心してコーヒーを楽しめます。