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フィリーデボーションズで知られるレーベルより、同じくフィリーのタペストリー。この曲は、フィリー・サウンドで思い浮かぶ強力リズム・セクションが織り成す疾走感溢れるミディアムやアップテンポのダンスサウンドとはひと味違うもの。まぁミュージシャンは同じだろうから、サウンド・スタイルを変えたと言った方が正しいだろう。そのスタイルはファンク色が濃く、少々ジャジーな味付けとグッとテンポを落としたロー・ファンクとも言えるものだ。フィリー録音のファンクは珍しくもないが、ヴォーカル・グループのジャジーなファンクはあまり例が無いのでは。さらに付け加えれば、ヴォーカルもサウンドにハマッてグルーヴするから無視できない。ヘビーなミッドテンポは怪しくグルーヴし、曲が展開するにつれテンションは上がりヴォーカルも激しく盛り上がる。個人的にはタペストリーの中で最も気に入っている曲だ。