その中で、AIDで妊娠に至った方の妊娠までにかかった周期の平均が10周期でした。
単純計算で成功率10%と、低く感じます。これは妊娠された方の成功率ですから、妊娠まで至ってない方も加えるとさらに成功率は低いことになります。
10周期ですから少なくても9ヶ月以上、見送る周期もあるでしょうから1年以上リセットを繰り返し乗り越えなければならないことになります。
精子提供で体外受精の適用が学会で一部認められると報道がありましたが、これが早く実現することを願います。
治療成績の中には夫婦間の人工授精の成績についても公開されていましたが、AIDよりも明らかに高い成功率でした。その要因としては、凍結融解しないフレッシュ精子を使えること、人工授精の前後にタイミングを取れることからそのタイミングの方で自然妊娠する可能性もあること、体外受精へのステップアップの選択肢があるため周期数が少ないなどが考えられます。
なので、1周期に1回しかできず、一般の人工授精の何倍も費用がかかり、ステップアップの選択肢がない現行のAIDでは、受ける側の負担が大きいことがわかります。
費用面での保険適用、移動距離など物理的負担に対しての実施施設の増、技術面での体外受精へのステップアップ適用などの改善がされることを期待します。
負担やリスクと天秤にかけて、個人提供を選択することも、AIDの現状を考えると間違いではないと思います。