彩肌コーポレーションが提供する。

美容と健康に関する最新情報を提供しています。

糖尿病による認知症リスクで「2025年認知症700万人」

2018年01月17日 | 健康情報
2025年に認知症患者が700万人を突破するという。その数字のベースとなるものの一つに、糖尿病の増加があるという。武蔵野大学薬学部の阿部和穂教授による公開講座「糖尿病の基礎から治療・予防法まで」では、糖尿病と認知症の関係についても解説された。武蔵野大学文学部3年生の守田詩帆菜記者が取材する。

糖尿病患者がこのまま増えたら認知症患者も……
2025年までに国内の認知症患者数が700万人を突破するという研究データが厚生労働省より発表されたのは2015年1月のこと。超高齢社会になれば患者数が増えることは予想されてはいたが、従来の推計では500万人程度と見積もられていたのに、である。
じつは従来の想定を200万人上回った陰には、「糖尿病患者数がこのまま増え続けたら」という仮定が含まれていたと、武蔵野大学薬学部教授の阿部和穂先生は指摘する。
糖尿病は、認知症のリスクを高める。本記事ではまず「認知症とは何か」を説明していこう。
認知症は病気ではなく、症状
「認知症は病気ではありません。症状なのです」と、阿部先生は言う。
たとえばインフルエンザにかかって高熱が出るとする。インフルエンザは病気だけれど、高熱は病気ではなく、症状だ。つまり認知症とは、何らかの脳の病気で、脳の認知機能が失われた状態をいうのだという。
現在の日本で最も多いのは、アルツハイマー病の発症に伴って現れる認知症。これをアルツハイマー型認知症と呼び、日本の認知症患者全体のおよそ50%を占める。症状は、脳に神経原繊維変化が起きて脳が萎縮していく。発症は75歳以上に多く、高齢化に伴い近年増加している。人格→認知→意識の順に損なわれていく。
次が脳血管性認知症。脳梗塞や脳出血によって脳の血流が滞ったことにより起こる認知症で、全体の20%くらいを占める。発症時期は脳梗塞や脳出血の出現時期によるので、若くても認知症の症状が出ることがある。意識→認知→人格の順に損なわれていく。
同じく20%を占めるのがレビー小体型認知症。脳の神経細胞の中にレビー小体というものが出来て、神経細胞が死滅していく。記憶障害よりも、実際にないものが見えたりする幻視が起こることが多い。
認知症の中核症状と周辺症状とは
認知症の症状には、患者に共通してみられる中核症状と、患者の性格や環境によって表れ方が異なる周辺症状(「BPSD(行動・心理症状)」とも言う)とがある。
中核症状は、記憶障害、見当識障害、判断・実行機能障害、失語・失行・失認、病識欠如などだ。
周辺症状(「BPSD(行動・心理症状)」)には、幻覚や妄想などの精神症状、せん妄などの意識障害、徘徊や暴言・暴力、食べ物ではないものを食べてしまう異食などがある。
認知症と物忘れの違いから理解する認知症
認知症と物忘れとの違いから、認知症の症状の特徴を見てみよう。以下の項目のうちどれが認知症の症状か、考えてみてほしい。
(1)ついさっきしたことを忘れてしまう。
(2)今日の日付がわからない。
(3)2つ以上のことがうまくできない。
(4)顔はわかるのに名前が思い出せない。
答えはなんと「全部」だ。ただそれぞれ、物忘れと認知症の間には決定的な違いがあるので、詳しく説明していこう。
(1)ついさっきしたことを忘れてしまう。
約束をしたのに、その日時や場所がうろ覚えで思い出せなくて困った経験は誰もが持っているだろう。安心してほしい、これは単なる度忘れだ。しかし、約束をした直後にその約束の日時ではなく、約束をしたこと自体を忘れたり、ご飯を食べてお腹いっぱいなのに、ご飯を食べたこと自体を忘れてしまうといった記憶障害がある場合は、認知症を疑ったほうがいい。
(2)今日の日付がわからない。
「今日は何日?」と聞かれて、返答につまることは誰にもある。何日かはわからなくても、今何月か、季節はいつかがわかれば問題はない。しかし、認知症になると、今が1年のうちのどこに位置するのかが認識できなくなるケースがある。日付だけでなく、時間や場所の把握も難しくなるのだ。これを見当識障害という。
(3)2つ以上のことがうまくできない。
ここでいう「2つ以上のことがうまくできない」とは、右脳を鍛える体操によくあるような、右手は3拍子で左手は4拍子で動かすといった難易度の高いものではない。たとえば、テレビを見ながらみかんの皮をむくといった、何ということはない簡単な動作が困難になってしまうのだ。ほかには、計画的に行動したり、物事を順序立てたりすることもできなくなるため、日常的にできていたはずの料理ができなくなってしまう。これを判断・実行機能障害という。
(4)顔はわかるのに名前が思い出せない。
久々にあった友人などで顔はわかるのに名前が思い出せないだけなら、認知症を疑う必要はない。ただ家族・親族の名前や顔が思い出せないというレベルになってくると、認知症を疑わざるを得ない。






認知症患者の割合、先進国で日本が1位

2018年01月17日 | 健康情報
OECDが発表!認知症患者の割合は先進国で日本が1位
先日、経済協力開発機構(OECD)が公表した2017年版の医療に関する報告書によると日本の認知症患者の割合(有病率)が、OECD加盟35か国中で最も高いことがわかりました。すなわち、年齢が上がるほど認知症有病率は高まる傾向にあり、世界で最も高齢化が進んでいるのが日本であることがわかりました。
その報告書によると日本の人口に対する認知症有病率は、2.33%という結果であり、OECD平均の1.48%を大きく上回るようです。また、2位のイタリアは2.25%、3位のドイツは2.02%という結果でした。当然のことながら、高齢化がますます進む日本は更に有病率が上昇するとみられ、20年後の2037年には3.8%に達すると推定されています。
このような状況の中、OECDの担当者は「日本は高齢化がほかの国より早く進んでいる。認知症を含め、加齢に関連した病気への対策が喫緊の課題だ」と指摘しています。
なぜ、日本は認知症患者数が多いのか?
日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人と推計されていますが、厚生労働省は2015年1月に、全国で認知症患者数が2025年には700万人を超えるとの推計を発表しています。日本は4人に1人が高齢者という超高齢化社会であり、認知症患者数は、OECD加盟諸国に比べかなり多い理由はなぜなのでしょうか?
その理由は、様々考えられますが、日本人の生活習慣や遺伝的な要素だけでなく、日本の認知症診断が優れていることにあるかと考えられます。他国においても認知症の診断レベルが上昇し、有症率が上昇したケースが見受けられます。逆に言えば世界が日本の診断レベルに上昇すれば、将来的に世界の認知症患者数は、今よりもっと上昇することになります。
認知症疾患者数を増やさないための方法は?
認知症患者数の増加を食い止めるためには、予防法や治療法の開発を急がなければならないのですが、なかなか研究開発は進んでいないのが現状です。近年では、OECDが中心となって世界各国で連携し各分野で認知症に対する研究を共有していますが、その成果も急がれます。また、認知症患者の増加に伴う経済的コストの増加も問題となっています。
もう一つの大きな課題は、「認知症ケア」です。認知症患者に対するケアには、多くの人が関わりますが、特に医療と介護の連携が不十分だと考えられています。また、厚生労働省は認知症施策として「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」をスタートさせ、治療の研究促進もさることながら、社会全体で、認知症ケアの促進、認知症のための街づくり、予防研究の三位一体でいかなくてはならないと考えています。
そのためにも、家族だけでなく、地域の方々の協力のもと、認知症患者が「いつまでも住み慣れた地域で生活ができる」仕組み作りが必要となり、そのための仕組みが「地域包括ケアシステム」となっているのです。これらの仕組みが成立することにより、認知症患者の発症を減らすことが、有病率、経済的コストの増加を抑えることに繋がるのです。




インフルエンザ対策 マスクとうがいより大事なことがある?

2018年01月17日 | 健康情報
今年もインフルエンザの流行が騒がれ始めている。厚生労働省による2017年12月1日の発表ではインフルエンザの患者報告数は7280人となり、「例年よりもやや早く流行シーズンに入った」のだそうだ。

  そこで重要になるのが、インフルエンザ対策。しかし、なかには首をかしげたくなるような情報もある。そこで、おおたけ消化器内科クリニックの総合内科専門医、大竹真一郎氏にインフルエンザ対策法を聞いた。

●Q: ワクチンは本当にインフルエンザ予防になるの?

大竹氏: ワクチンはいわばクルマのシートベルトのようなもの。交通事故を防ぐことはできませんが、シートベルトをしていれば、事故に遭ったときに、自分や同乗者の被害を少なくすることができます。ですので、インフルエンザワクチンを接種したからといってかからないわけではありませんが、接種すれば、インフルエンザにかかっても症状を軽減することができます。また、症状が軽減すれば、ウイルスを保持する期間も短くなり、周囲の人への感染を防ぐことにもつながるのです。

 特にインフルエンザにかかると重症化しやすい子供、高齢者、病気を抱えている人が接種するのはもちろん、そのような人たちにうつさないためにも、ワクチンの接種はすべきでしょう。

●Q: マスクをしていれば、インフルエンザは予防できる?

大竹氏: マスクの予防効果はかなり限定的です。マスクは呼吸をしやすくするために繊維の目を粗くしているため、非常に小さなインフルエンザウイルスは簡単にくぐり抜けてしまうからです。ただし、周囲の人にうつさないようにするためにマスクを着用するのは有効です。インフルエンザウイルスは確かに非常に小さいですが、唾液や鼻水などに含まれたウイルスはブロックできます。マスクの効果を発揮するためには乾いていることが大切なので、湿ったら必ず交換しましょう。マスクにはウイルスがついていますから、ビニール袋などに入れて捨てるなど、特に子供や高齢者のいるご家庭では気をつけてください。

Q: うがいより手洗いのほうが予防効果が高いって本当?
大竹氏: 最新の研究で、うがいにインフルエンザ予防の効果が期待できないことが明らかになりました。また、厚生労働省による「平成29年度 今冬のインフルエンザ総合対策について」でも、うがいは明記されていません。

 インフルエンザは風邪と同様にウイルス感染による疾患ですが、ウイルスは体内の細胞に侵入して分裂することで増えていきます。20~30分程度で侵入してしまうため、口内のウイルスを除去するためにはかなりの頻度でうがいをしなければならず、予防効果はあまり期待できません。

 そこでぜひ実践してほしいのが、「手洗い」と「顔を触らない」こと。

 インフルエンザはかなり近づかない限り、くしゃみやせきで感染することはありません。飛沫感染よりも注意したいのは、接触感染。インフルエンザの多くはくしゃみやせきで飛散したウイルスが付着したドアノブや机などを触り、ウイルスが付いた手で目や鼻をこすることにより感染するからです。だから外出中は顔を触らないことが大切。正しい手洗いやアルコールなどでこまめに手を清潔に保つことを心がけてください。

●Q: 体を動かしたほうがインフルエンザになりにくい?

大竹氏: ウオーキングなど体に負担がかからないような軽い運動は、インフルエンザ予防に有効です。週3回、1時間程度行うことで、免疫機能を正しく働かせることができるといわれています。

 ただし、ハードな運動をしている人は一般的な人に比べてインフルエンザにかかる可能性が高くなります。フルマラソンを走ったあと、風邪にかかる確率が通常の2~6倍になるという研究結果もあります(参考資料:Peters,E.M.、Ultramarathon running and upper respiratory tract infections,S.Afr.Med.J.、64,582-584,1983.)。運動をしすぎると酸化ストレスなどによって体に大きな負担がかかり、免疫機能をうまく働かすことができなくなるのがその原因だと考えられます。

 さらに、大竹氏は「マイタケやガゴメ昆布などインフルエンザウイルスの抑制効果が示唆されている食品も出てきたが、まだ研究段階。基本的には、“手洗い”、“顔を触らない”、“ワクチン接種”をしっかり行い、他人にうつさない努力を」と話す。インフルエンザの流行を抑えるためにも、まずは基本的な予防法を実践すること。







注目の骨ホルモン 納豆やブロッコリーのビタミンKで分泌増

2017年12月18日 | 健康情報
NHKスペシャルで全8回にわたって放送中のシリーズ『人体 神秘の巨大ネットワーク』は、これまであまり知られてこなかった「臓器や体組織の間での情報伝達」のメカニズムを明らかにし、話題を呼んでいる。来年1月7日に放送予定のシリーズ第3弾『“骨”が出す! 最高の若返り物質』では、骨が発する“メッセージ物質”が取り上げられる。骨が分泌する代表的なメッセージ物質(ホルモン)である「オステオカルシン」には、糖尿病を改善する働きがあると指摘されている。さらに、動脈硬化や認知症などの予防効果も期待されているという。
 骨を強化するためにはカルシウムやたんぱく質の摂取が重要とされているが、『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす! 1日1分「かかと落とし」健康法』(カンゼン刊)の著者で福岡歯科大学客員教授の平田雅人氏は、「骨ホルモン分泌を増やすにはビタミンKが特に重要」だと指摘する。
「オステオカルシンを増やすには、骨にカルシウムを沈着させるビタミンKが不可欠です。ビタミンKが多く含まれている食材には、納豆やブロッコリー、ほうれん草などが挙げられます」(同前)
 骨ホルモンを経口投与するための研究も進んでいるという。
「マウスの実験では、経口投与したオステオカルシンの一部は、活性を保った状態で24時間以上消化器官内にとどまり、血中に存在し続けました。現在、サプリメントを開発中の企業もあり、来年には臨床試験を行なう予定と聞いている」(同前)
※週刊ポスト2017年12月15日号

最高齢は108歳! 100歳以上が日本一「島根県」の百寿者が語る“健康長寿の秘訣”

2017年12月18日 | 健康情報
県民10万人あたりの「百寿者率」が5年連続でトップの島根県。同県の百寿者たちは、これまでなにを心がけ、今どう過ごしているのか。県内最長寿を含む5人にインタビューを試みたが、100歳を超えてインタビューに答えられる、という健康の秘訣はどこに? 

 ***
 松江市の西南に位置する雲南市に住む安井信子さん(100)を自宅に訪ねたが、そこは曲がりくねった山道の先。玄関から腰が真っすぐの女性が現れたので、娘さんかと思うと本人で、

「夫が7年ほど前に亡くなってからは、ここで一人暮らしをしています」

 と、こう語りはじめた。

「朝は6時前に起きてご飯を食べます。白米とみそ汁、卵焼きなんかですね。家の前の畑で白菜や大根を作っていて、みそ汁には畑で採れた大根の葉っぱや春菊なんかも入れます。緑のものは血液をサラサラにしますからね。肉と魚なら魚のほうが好き。カルシウムがあるから食べにゃいかん」

 どうやら健康オタクでもある安井さん、齢百にしてほぼ自立している。

「種まきから収穫まで全部一人でやります。夜ご飯でも畑で採れた白菜を煮たりしますね。柔らかくなって消化にいいから、何でも煮物にして食べる。ほかにやってるのは散歩。背筋を伸ばして手をしっかり振って、5分、10分歩く。肩こりもないし、どっこも痛くない。血圧も上が130くらいで、息子よりだいぶ低い」

 お茶の水健康長寿クリニックの白澤卓二院長は、

「百寿者は寝たきりか自立しているかのどちらか。生活の自立は長寿を考えるうえで非常に重要で、それには自分で歩ける、自分の頭で判断できる、という二つの条件が必要となります」

 と語るが、安井さんはそれらの条件に見事に適う。

 同じ雲南市に住む岸本キミエさん(101)はデイサービスに通うが、そこで、

「洗濯物を畳んだり、絵を描いたり、踊ったりします。若い人たちは踊らないんだけど、私は若い先生と一緒に踊るの。踊りはだれにも負けません。洗濯物も一番きちんと畳んで、崩れないように重ねる。だらしない人のは崩れたりするの。家に帰ったら草取りとかする。草取りも速いですよ」

 90歳くらいまで水墨画の達人だったという岸本さん。祭りで踊るのも好きで、家族によれば「熱中しやすい性格」だとか。食事は家族と同じものを食べており、

「3食、白いご飯。嫌いなものはないね。お腹いっぱい、何でも食べます。肉も魚も野菜もちゃんと食べる。寝るのは9時ごろかな」

 どんなときに楽しいと感じるのだろうか。

「嫌なことはありませんわ。草取りでも何でも楽しい」

 ストレスも最小限で済んでいるように感じられた。

 松江市の山崎ミネ子さん(101)は今年、しまね健康超寿者に選ばれた。岸本さんと趣味が似ている。

「60歳くらいで書道を始め、今でも書くのが一番好きですわ。段位は10段までいって、県の展覧会に何度も入選しました。俳句や水墨画もやっていました」

 今、週に3日通うデイサービスでは、

「足し算、引き算、掛け算とか計算したり、書き物したりしていますわ」

 元気の秘訣を尋ねると、

「自然にね。長生きのために食べもの制限とかしちょらんね。甘いものと辛いものは好きじゃないから、カレーとキムチは食べません。娘や孫、ひ孫たちと一緒に同じものを食べます。シジミ汁も好き。魚が好きだけどお肉も食べますわ。いい加減なもんだね」

「人生はこれからだ」
 青砥武一さん(104)も松江市在住。やはり食べものに頓着しないそうで、

「朝は白米やパンです。野菜も食べるし、魚もあれば食べる。昼や夕飯も家族と同じものを食べますわ。ひ孫が時々買ってくるケンタッキーも好き。嫌いなものはない。ただ軍隊にいたときのクセで速く食べて、孫たちに怒られます」

 家族と一緒に、選り好みせず食べているそうだ。

「戦争から帰って米や野菜、黒毛和牛の繁殖を80すぎまで続け、月に1回は、松江中心部の護國神社の朝の清掃奉仕に、自転車で14キロくらい走って通ってました」

 右耳はほとんど聞こえないそうだが、左耳に話しかければ、こうして返事をもらえる。そして今も、

「新聞は毎日読んでいる。あとひ孫が買ってきた計算ドリルを、もう3、4冊やりました」

 最後に紹介するのは、江津(ごうつ)市に住む明治42年生まれの高田良夫さん。県内最高齢108歳だ。今は施設で車椅子の生活だが、昨年4月に転んで脚を圧迫骨折するまでは自宅ですごし、草むしりもしていたという。

 なにしろ90歳まで毎朝晩、犬の散歩で1キロ歩き、93歳まで自転車に乗り、100歳をすぎても畑に出ていたという鉄人である。

「ここまでやってこれたのは、真面目に働いてきたからだと思います」

 国民学校を出て陶工に丁稚奉公したのち、徳山曹達(ソーダ)に就職。36歳で徴兵されて台湾に送られたが、幸い食糧事情があまり悪くなかった。帰還後は70歳すぎまで陶工を務めたという。

 百寿者の例に漏れず、好き嫌いがない。昔からタバコも吸わず、晩酌は毎回1合未満。ただ、施設に入るまで40年間、毎日「養命酒」を飲んでいたという。

「何でも美味しく食べますし、ゆっくり、よく噛んで食べています。昔、たくさん噛めば唾液がたくさん出るから、よく噛んで食べるようにと、牛は何度も吐いて噛み砕いて食べるから糞がほどけてるんだ、と教わりました」

 車椅子は自分でこぐ。

「60くらいで死ぬと思ってたら、とうとう108です。先生も、家族は長生きするだけでも嬉しいものだと言ってくださるので、男性日本一の長寿になれるよう頑張りたいです」

 前出の白澤院長は、

「私が会った百寿者で“もう自分の人生は終わりに近づいている”と悲観している方はいない。逆に“人生はこれからだ”と、とにかく前向きで肯定的です」

 と語るが、それは5人すべてに共通していた。