続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「敵」(2023/ハピネットファントム・スタジオ=ギークピクチュアズ)

《筒井康隆の同名小説を、「桐島、部活やめるってよ」「騙し絵の牙」の吉田大八監督が映画化。穏やかな生活を送っていた独居老人の主人公の前に、ある日「敵」が現れる物語を、モノクロの映像で描いた。主人公の儀助役を12年ぶりの映画主演になる長塚京三が演じるほか、教え子役を瀧内公美、亡くなった妻役を黒沢あすか、バーで出会った大学生役を河合優実がそれぞれ演じ、松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。》

トイレの清掃員の淡々とした同じ毎日の繰り返しを描きながら常に新鮮な小さな喜びに満ちている日常を描いた役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」のような出だしですぐに画面に引き込まれたというか、モノクロで地味な印象だけど、よく見るとその日常が贅沢さに満ちていて、こだわりの食事風景とか、まだ観てないけど「孤独のグルメ」みたい?とかいろいろ考えながら観ているうちにそれどころではなくなってからの戦慄の展開に、“敵”が身近すぎる自分には身につまされすぎて思わず座り直してしまった!

原作の筒井康隆氏の同名小説にどこまで寄せてあるのかはわからないけど、下手するとシュールでホラーにもなりそうなところを、時々笑いも織り交ぜながらの、小説なら何頁にも及ぶような描写でも一瞬で伝わる映像の力も感じて2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門で東京グランプリ/東京都知事賞、最優秀監督賞(吉田大八)、最優秀男優賞(長塚京三)の3冠に輝いたのも納得!

仏文学の大学教授を演じた長塚京三さんの、インテリならではの品の良さとインテリだからこそのいやらしさや下心など垣間見える演技も絶妙、瀧内公美さん、河合優実ちゃん、黒沢あすかさんなど女優陣も奥行きが感じられてよかった、最後の方で主人公の従兄弟役で登場の中島歩さんが出てきたのも嬉しかった!

☆あらすじ☆
大学教授の職をリタイアし、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋にひとり暮らす、渡辺儀助77歳。毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う。時には気の置けないわずかな友人と酒を酌み交わし、教え子を招いてディナーも振る舞う。この生活スタイルで預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった。そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
※映画.comより

キャスト
長塚京三
瀧内公美
河合優実
黒沢あすか
中島歩
カトウシンスケ
髙畑遊
二瓶鮫一
髙橋洋
唯野未歩子
戸田昌宏
松永大輔
松尾諭
松尾貴史

監督
吉田大八

108分

G

T・ジョイPRINCE品川10 18:35〜観客4割程/124席







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