続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「3つの鍵」(2021伊=仏/チャイルド・フィルム)

《「息子の部屋」でカンヌ国際映画祭パルムドール、「親愛なる日記」で同監督賞を受賞しているイタリアの名匠ナンニ・モレッティが、同じアパートに住む3つの家族の素顔が、ひとつの事故をきっかけに次第に露わになっていく様子をスリリングに描いた人間ドラマ。イスラエルの作家エシュコル・ネボの「Three floors up」が原作で、デビュー以来オリジナル作品を手がけてきたモレッティ監督にとっては初の原作ものとなった。出演はマルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルバケルら。》

冒頭からかなり衝撃的な出来事で始まってからの、5年後、そのまた5年後とかなり長期的な物語で“3つの鍵”がどう関係していくんだろうと思いながら観ていたので、そこはなんとなくミスリードされたような気分でわかりづらかったけど、3家族の家庭問題が同時進行のように描かれていて、三者三様の家族の物語として見ごたえがあった。

同じマンションの1階から3階に住む3家族の物語なので、原題の「 Tre piani 」からの英語タイトル“Three Floors” の方がしっくりくるかもと思っていたけど、あとから考えるとなるほど、それぞれの家族が一歩踏み出すための3つの“鍵”と思えば、それはそれで合っているのかも、或いは家族問題の困難さや、出てくる登場人物の頑固さからの「3つの壁」でもよかったかも?

それにしてもこんなふうなシリアスな家族ドラマでも、しっかりR15+なシーンがあるのはお国柄というか、疑う人間ほど自分の中にも疑われる要素があったり、厳しい人間ほど、本当は自分の中の自堕落な部分を封印しようとしているのかもとか、人間の心の闇についても色々考えさせられる作品だった、さすがナンニ・モレッティ監督!

☆あらすじ☆
ローマの高級住宅地にあるアパートに暮らす、3つの家族。それぞれが顔見知り程度で、各家庭の扉の向こう側にある本当の顔は知らない。ある夜、3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアの運転する車が建物に衝突し、ひとりの女性が亡くなる。同じ夜、2階に住む妊婦のモニカは陣痛が始まり、夫が出張中のためひとりで病院に向かう。1階のルーチョとサラの夫婦は、仕事場で起こったトラブルのため娘を朝まで向かいの老夫婦に預けるが、認知症の老夫と娘が一緒に行方不明になってしまう。
※映画.comより

キャスト
マルゲリータ・ブイ
リッカルド・スカマルチョ
アルバ・ロルバケル
アドリアーノ・ジャンニーニ
エレナ・リエッティ
アレッサンドロ・スペルドゥーティ
アンナ・ボナイウート
パオロ・グラツィオージ
ステファノ・ディオニジ
トマーゾ・ラーニョ
ナンニ・モレッティ
デニーズ・タントゥッキ

監督
ナンニ・モレッティ

原題 Tre piani

119分

R15+

ヒューマントラストシネマ有楽町1 18:40〜観客3割程/161席







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