続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「LOVE LIFE」(2022/エレファントハウス)

《「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員賞を受賞するなど、国際的に高い評価を得ている深田晃司監督が、木村文乃を主演に迎えて描く人間ドラマ。ミュージシャンの矢野顕子が1991年に発表したアルバム「LOVE LIFE」に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を描いた。幸せを手にしたはずが、突然の悲しい出来事によって本当の気持ちや人生の選択に揺れる妙子を、木村が体現。夫の二郎役に永山絢斗、元夫のパク役にろう者の俳優で手話表現モデルとしても活躍する砂田アトム。第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。》

LOVEにLIFEに大がかりなテーマなのでどんな内容か興味津々だったけど、“矢野顕子さんの「LOVE  LIFE」という歌を最高のタイミングで映画館に流すことができるか、それをずっと考えてきた”という深田晃司監督のコメントに歌詞を調べてみたら、いろいろあっても結局はただそこにいてほしいという歌詞がこの映画の解説のようで納得!

深田晃司監督作品は初めて観た2013年の「ほとりの朔子」から「淵に立つ」「海を駆ける」「よこがお」までどれもハズレがなくて、平穏な日常をかき乱すような不穏な出来事や人間が絡んでの不協和音が流れるところが共通しているというか、決して悪意はないけど上から目線だったり、優しく接しているようでぽろりと出た本音で人を傷つけたり、障害を弱いと決めつけていたりと、観る側の意識も試されるようなところがあって今回もすっかり引き込まれてしまった。

子供を連れて再婚しながらホームレス支援を行うNPOで働いている妙子を演じた木村文乃さんと再婚相手になる二郎を演じた永山絢斗くんが複雑な役どころを好演、彼の両親で、子連れの再婚相手を受け入れられない父親を演じた田口トモロヲさんや受け入れているようで時々本音で妙子を傷つけることになる母親役の神野三鈴さんの演技も絶妙!

妙子の元夫役で韓国籍でろう者のパクを自身もろう者である砂田アトムさんが演じて説得力があった、手話の使い方も効果的。
出番は少ないけど山崎紘菜ちゃんも揺れる思いの二郎の元カノを演じて大健闘、東宝シンデレラガールの割には主演作が少ないのがもったいないかも。

終盤の妙子の選択に、なんかモヤモヤしたというか、心が落ち着かなくなったけど、最後の最後の着地点に救われたというか、またいつその均衡が崩れるのかもしれないと思わされるところが深田晃司監督作品ならではの後味かも。

☆あらすじ☆
再婚した夫・二郎と愛する息子の敬太と、日々の小さな問題を抱えながらも、かけがえのない時間を過ごしていた妙子。しかし、再婚して1年が経とうとしたある日、夫婦は悲しい出来事に襲われる。そして、悲しみに沈む妙子の前に、失踪した前の夫であり敬太の父親でもあるパクが戻ってくる。再会を機に、ろう者であるパクの身の回りの世話をするようになる妙子。一方の二郎も、以前つきあっていた女性の山崎と会っていた。悲しみの先で妙子は、ある選択をする。
※映画.comより

キャスト
木村文乃
永山絢斗
砂田アトム
山崎紘菜
嶋田鉄太
三戸なつめ
神野三鈴
田口トモロヲ
福永朱梨
森崎ウィン

監督
深田晃司

123分 

G

TOHOシネマズシャンテ1 18:30〜観客50人程/224席





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