これは珍しい北朝鮮映画で、改装前のキネカ大森で観て強烈な印象だったのでまた観られてラッキー!
その割りに殆ど内容を忘れていたけど、改めて観てみると、圧制下にある農民たちの苦しみや、救世主となるかに思われた怪獣プルガサリ(不可殺)の皮肉な存在など、内容的にも充実していて面白かった。
プルガサリもどことなく愛機があって憎めない造形で、中に入っていたのがゴジラ俳優の薩摩剣八郎さんというのも興味深いところ。
クレジットされていなかったとのことだけど、ゴジラ映画60周年の今年また上映されたということで、キネカ大森さんの怪獣映画特集企画に拍手!
ちなみにガッパとの2本立は今週金曜日までで、土曜日から来週金曜日まではギララとの2本立。
ギララも観てないので、また行かなくては。
《高麗朝末期。朝廷の圧制下、腕のいい老鍛冶屋のタクセ(リ・イングォン)は、役人から農民から没収した鉄の農具や釜で武器をつくることを命じられるが拒否して投獄される。死に瀕した彼は、娘のアミ(チャン・ソニ)から差し入れられた米粒を精魂こめて練り、鉄を食うという伝説の大怪獣プルガサリの人形をつくって息絶える。アミが誤って針で指を刺し、血が人形にしたたった瞬間、怪獣プルガサリが誕生した。鉄なら武器でもなんでも食い漁って成長するプルガサリは、人民の強い味方となった。一方、アミの恋人インデ(ハム・ギソプ)は、農民らの先頭に立って反乱軍の指導者となっていた。プルガサリはアミの願うままに朝廷軍も歯が立たない大怪獣となり、反乱軍はプルガサリを先頭に立てて、インガを失った後も勝利を収め続ける。討伐軍の首領ファン将軍(リ・リョンウン)の奸計で罠に陥りもしたが、不死身のプルガサリはついに宮廷を襲い、暴君の王(パク・ヨンハク)を倒した。喜びにあふれかえる人民だったが、国内の鉄を食い尽くさんばかりのプルガサリを前にして再び絶望する。それを知ったアミは、一身をなげうってプルガサリを鎮めるのだった》
以前に正規の形ではないビデオ化もあったが、今回が正式な劇場初公開となる。監督はチョン・ゴンジョ。脚本はキム・セリュン。撮影はチョ・センミンとパク・スンホ。音楽はソ・ジョンゴン。美術はリ・ドイク。編集はキム・リョンスン。特殊効果はキム・ドクホ。特撮美術はパク・チョンギル。
日本から協力特撮監督として中野昭慶、プルガサリの着ぐるみの中にはゴジラ俳優として著名な薩摩剣八郎が入るなど貢献したが、どちらもノー・クレジット。出演はチャン・ソニほか。
◆キャスト
チャン・ソニ
ハム・ギソプ
リ・ジョンガク
リ・イングォン
リ・リョンウン
パク・ヨンハク
薩摩剣八郎
原題 不可殺/Pulgasari
95分
キネカ大森2 17:35~観客10人程/69席
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