振り返ると、遙か下方に忍野村の家並みが見えました。思ったより登ってきました。森林浴によるフィトンチッド効果か、巣ごもりと夫婦げんかでモヤモヤしていた気持ちがスッキリとしてきました。
「今日は登山口の下見のはずでした。熊よけの鈴もありません。熊に出会っても怖いので、ここらで撤収が良さそうです。」と思って、とりあえず一休み。
休みながら、チョコチップクッキーを一枚食べると元気が出てきました。二枚目を食べると、もう少し登ってみようと思いました。三枚目を食べると元気三倍、ここまで来たのだから、せめて途中の山中湖側登山道の分岐まで登ってみようと思い、また登り始めました。
以前、NHKで「男女脳の違い」の特集をしていました。人は長い原始生活の中で、女性脳は家族を守るため恐怖経験は忘れないように記憶回路が発達してきたそうです。一方、男性脳は、危険な狩猟体験で死にそうになっても家族の生活の糧を得るため、恐怖体験はすぐ忘れまた狩猟に出ることができるように発達してきたそうです。私の脳もこの男性的傾向が強いようですが、問題なのは恐怖体験に限らず何でもすぐ忘れることです。
ようやく、山中湖への分岐点まで到達しました。それにしても平日のせいか、ここまで誰一人ハイカーに出会いませんでした。
[次回 最終]