stardust

AZUMI (ryo.ta) のつぶやき日記 #DavidBowie 情報まとめ

Moonage Daydream

2023-04-25 21:32:20 | #david bowie
3月24日。遂に日本での劇場公開が始まりました。

Twitterのタイムラインに流れてくる「いよいよ劇場公開!」という予告ムービーを眺めながら、大音響の方がライブ会場にいるように感じられる、という前情報もあり、それを見越して初IMAXにするかDolby Atmosにするか…と、ぼんやり考えている間に、熱烈ファンの友人は、トークショー付きの先行上映や、初日舞台挨拶などにも足を運んでいて、周辺ではそれなりに盛り上がっている様子が伝わって来ていました。

そこに、「初日に行くんじゃないの?!」と長年の友(特にBowieファンというわけではない)に言われ、「いや、全然、初日でなくても良いので…」と答えたところ、「ええ?!」と驚かれつつ、幸運なことに友人が行きなれた劇場のIMAX上映で観るならと、サクサクっと座席予約をしてくれたのである。

私にとっては久しぶりの映画館。
そして、初のIMAXシアターで、鑑賞して来ました。

画面が近い。音が大きい(のでちょっと耳をやられた)。

画面の大きさや解像度については、映画館自体が久しぶりすぎたので昔の映画館(のスクリーン)との比較ですが、印象としては色がくっきりしていていわゆるコントラストが強いと感じました。普段からPCモニタもスマホ画面も輝度をかなり下げているので、それと比べて強いと感じるだけで、常日頃から明るい画面を見ている人にとっては大した違いはないのかもしれません。

劇場全体を包み込むような音響設備と、目の前に迫り来るように映し出される大画面は、想像以上に集中力を高めてくれるように思います。
冒頭に登場するリンゼイ・ケンプや、おそらく初出し映像のジェフ・ベック(でも顔はあまり映らないのは、許可がおりるギリギリだったのか…)とか、ハンザスタジオの写真では端にひっそりロバート・フリップが写っていたり、わかる人にはわかるものの、わからない人にはわからない写真や映像が盛りだくさん。数々のインタビューやライブの映像が音源が、時間軸も話題もバラバラに複雑にコラージュされ、それを脳内でつなぎ合わせる作業をし続ける二時間強。
映画館という空間で、目の前の映像と場内に響き渡る音楽に集中しているからこそ、どうにかなるものの、しかし、それはそれでとても疲れる時間でもありました。

最後の最後のクレジットまでも集中力が切れなかったのは、あまり前情報を入れないまま初IMAXでの鑑賞を選んだおかげだろうか。
本当に、これだけの権利関係をクリアするのは大変だったことだろう…
と、今はそういうことも気に掛かる。

非常に丁寧に、そして、一方的な理解を押し付ける感じもなく、ドキュメンタリーとして本当によくできていると思いました。全く興味がない人が見たら、David Bowieに興味をもってくれるんじゃないかなと、そんな気がしました。


ライブ会場にいるかのような音楽(sound)と、David Bowieという人がこれまで、どんなことをしてきたのか、ということを、David Bowieがその時々にどう思いながら、どう表現してきたのか、どんな言葉で語ってきたのかを、インタビュー音源と絵や彫刻や映像とコラージュし、それをDavid Bowieの楽曲で包み込む。David Bowieの宇宙(世界よりもっと広い感じ…)がそこにある。
そんな映画でした。

そして…
1回目からほどなく、Bowieファンの友人に誘われ、別の映画館のIMAXシアターにて2度目鑑賞。
1度目に見逃したところをチェックしたり、逆に、うっかり音に聞き入って見逃したりと、これは、自宅でテレビや配信などで観るのは至難の技かもしれない、と感じました。

2度目で思ったのは、インタビュー音源に映像が被っているところとライブがコラージュされているところの字幕が、歌詞だったりインタビューだったりがつぎはぎになるので、(歌詞なのかインタビューの声なのか)分かっていないと混乱するのではないだろうか…、ということでした…。
むしろよく分かってない人の感想を聞いてみたい…。

と、いうわけで、2度の鑑賞でかなーり満足しました。
欲を言えばDolby Atmosでも観てみたいかなぁ、とは思いますが。


そして、映画を見てから、監督のインタビューや初日舞台挨拶やトークイベントの情報を調べてみたところ、(評論家などの)第三者が語るドキュメンタリーは作りたくない、と、生前の本人との打ち合わせで言われていたという話をしていらっしゃったようです。

使われている音楽も、映像も、絵や彫刻、そして語りも、全てDavid Bowie本人、という、かなーり特殊なドキュメンタリー映画。
ライブ会場にいるような、体感する映画を作りたかった、とそのような表現をされていたのですが、劇場での大画面と大音響はライブを体験したことがある者にはその通りに感じられ、改めて、素晴らしい映画だなと思いました。


IMAX上映は終了してしまったところが多いようですが、まだ、一部映画館では上映されているようですので、未見の方、ぜひとも映画館での鑑賞をオススメします。
目の前の画面に集中し、全体に包み込まれるような大音響で、David Bowieの声や音楽に包まれる時間を過ごしてみてください。

そうそう。
「日本での劇場公開」も契約に入っていた、というお話もされていました。
日本での劇場公開時期が遅れたのは、日本語字幕をつける必要があったからだろうと思います。「吹き替え」という手段は、David Bowie本人の声である意味が損なわれてしまうのでありえないですし、字幕なしではとうてい理解がおいつきません…(英語に堪能な方なら問題ないのでしょうけれど)。
これは…、やはり字幕付きのパッケージ版が欲しいところ。…
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デヴィッド・ボウイ コラボカフェ

2022-01-15 16:31:04 | #david bowie
長年のボウイ友からのお誘いで
TOWER RECORS CAFE 渋谷店の
デヴィッド・ボウイ生誕75周年記念
コラボカフェに行ってきました〜。



久しぶりのBowie空間。
そこら中にBowieさん。
等身大立て看板なんて何年ぶりかしら…
変わらない姿で生き続けているんですね…

この時期にBowieに浸れる空間は
年末年始が慌ただしい身には
とてもとてもありがたいものでした。

ZIGGY STARDSUT THE MOTION PICTUREの
上映もあるのでそのポスターの貼られていたり、
洋楽売り場には特設コーナーもあったり。
久しぶりのTOWER RECORSも楽しみました。



コラボカフェでは感染対策はしっかり。
座席も離れているし、
店内撮影タイムや会計も順番で、
密にならないよう配慮されておりました。
公式グッズの他に、
コラボカフェ限定グッズもありました。


詳しくは
タワーレコードのニュースページをご確認ください。



#davidbowie #75th #ボウイ
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Happy 75th birthday David Bowie!

2022-01-08 21:05:16 | #david bowie
Happy 75th birthday David Bowie

今日はDavid Bowieの75歳のお誕生日!!




新年のご挨拶もせぬまま8日が過ぎてしまいました。
この日だけは書かなくては! ということで…
またのちほどリンクを追加しますが…
本年もよろしくおねがいいたします。



Bowie情報、ずっとチェックはしていたんですが…

【デヴィッド・ボウイ生誕75周年関連】
◎David Bowie com のロゴマークも変わり
75thのURLが登場

◎Mike Garson's  A Bowie Celebration
Mike Garson 主催のA Bowie Celebrationには
各地からそうそうたる顔ぶれのミュージシャンたちが登場する
現地時間1月8日午後6時(日本時間1月9日午前11時)から
RollingLiveStudios.comでライヴストリーミング配信
Mike GarsonのFacebookページに詳細が次々と…

◎David Bowie - 360 Reality Audio Livestream
2022年1月7日に公開された#360RA 音源

専用アプリと認定ヘッドホン推奨のようですね。

★日本国内
◎PGS/Pop Up Store
https://store.pgs.ne.jp/davidbowie
期間:2021年12月25日(土)〜2022年1月20日(木)
場所:池袋パルコ本館6F
協力:オンリー・ハーツ

◎コラボカフェ
DAVID BOWIE × TOWER RECORDS CAFE
期間:2022年1月7日(金)〜2022年1月30日(日)
店舗:TOWER RECORDS CAFE渋谷店
(東京都渋谷区神南1-22-14 タワーレコード渋谷店2F)
コラボカフェ詳細
https://tower.jp/bowie75-cafe

◎Toy (Exclusive Green Casette)<限定盤>
伝説的未発表アルバム『トイ』の限定盤カセット
※1月7日より開催されるコラボ・カフェ限定販売



《2022年1月8日以降の発売》

◎TOY: BOX
メーカー ‏ : ‎ PARLOPHONE
EAN ‏ : ‎ 0190296773372
オリジナル盤発売日 ‏ : ‎ 2022
レーベル ‏ : ‎ PARLOPHONE
ASIN ‏ : ‎ B09HCGBXSL
ディスク枚数 ‏ : ‎ 3
 

◎トイ:ボックス (完全生産限定)
※発売予定日は2022年1月12日
メーカー ‏ : ‎ ワーナーミュージック・ジャパン
EAN ‏ : ‎ 4943674346424
時間 ‏ : ‎ 2 時間 39 分
レーベル ‏ : ‎ ワーナーミュージック・ジャパン
ASIN ‏ : ‎ B09JWBW8M4
ディスク枚数 ‏ : ‎ 3
 

------------------------------------------------------------

そしてこんな御本の発売の発売も…

◎デヴィッド・ボウイ ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1973-1990 単行本(ソフトカバー) 
出版社 ‏ : ‎ シンコーミュージック (2022/1/11)
発売日 ‏ : ‎ 2022/1/11
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 304ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4401651529
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4401651528


◎デヴィッド・ボウイ CHANGES 写真で綴る生涯 1947-2016
クリス・ウェルチ  (著), 富永 晶子 (翻訳)
出版社 ‏ : ‎ 竹書房 (2022/1/8)
発売日 ‏ : ‎ 2022/1/8
言語 ‏ : ‎ 日本語
大型本 ‏ : ‎ 160ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4801929680
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4801929685
 
 


>>>追加

◎デイヴィッド・ボウイ 完全版
和久井 光司 (編集)
出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社
発売日 ‏ : ‎ 2022/1/27
単行本 ‏ : ‎ 240ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 430929183X
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309291833
 

◎デヴィッド・ボウイ ジギー・スターダストの神話
大久 達朗 著
出版社 ‏ : ‎ シンコーミュージック
発売日 ‏ : ‎ 2022/2/7
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 288ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4401651723
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4401651726
 

◎『デヴィッド・ボウイ:美しきアクター』
大久 達朗 (監修)
出版社 ‏ : ‎ リットーミュージック
発売日 ‏ : ‎ 2022/2/19
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 272ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4845637278
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4845637270
 


ついでに昨年末の発売
◎ブリリアント・アドヴェンチャー[1992-2001] (完全生産限定)
メーカー ‏ : ‎ ワーナーミュージック・ジャパン
EAN ‏ : ‎ 4943674346417
時間 ‏ : ‎ 10 時間 2 分
レーベル ‏ : ‎ ワーナーミュージック・ジャパン
ASIN ‏ : ‎ B09JWCFKQQ
ディスク枚数 ‏ : ‎ 11
 

◎時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA
- 鋤田正義が撮るデヴィッド・ボウイと京都 -
立川 直樹 (その他), 鋤田 正義 (写真)
出版社 ‏ : ‎ ワニブックス
発売日 ‏ : ‎ 2021/5/6
大型本 ‏ : ‎ 168ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 484708361X
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4847083617
 
◎SUKITA ETERNITY
鋤田 正義 (著, 写真)
出版社 ‏ : ‎ 玄光社
発売日 ‏ : ‎ 2021/7/28
大型本 ‏ : ‎ 256ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4768314872
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768314876
 
◎Bowie's Books——
 デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊
ジョン・オコーネル (著), 菅野 楽章 (翻訳)
出版社 ‏ : ‎ 亜紀書房
発売日 ‏ : ‎ 2021/9/30
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 376ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 475051716X
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4750517162
 

◎『戦場のメリークリスマス』知られざる真実
『戦場のメリークリスマス30年目の真実』完全保存版
WOWOW「ノンフィクションW」取材班 (著), 吉村 栄一 (著)
出版社 ‏ : ‎ 東京ニュース通信社
発売日 ‏ : ‎ 2021/12/15
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 236ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 406526572X
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4065265727
 
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記事「追悼:デヴィッド・ボウイの出演映画」

2021-02-24 06:49:52 | #david bowie
2016/01/10の訃報をうけ、イマジカTVのサイトに寄せた追悼文。
現在、イマジカTVはWOWOWの子会社となり、当時記事を掲載していたページは、ページとしてはあるようなのですが、当該記事は掲載されておりません。
担当の方も替わられてしまった様子で、記事をご依頼いただいた担当者に確認の上、こちらのブログにて内容を掲載いたします。(ご許可いただきありがとうございます)
ただ、掲載時の最終稿は手元に保存してありませんでしたので、修正第二稿を一部手直しして掲載することといたします。


---------


追悼:デヴィッド・ボウイの出演映画。


日本時間では2016年1月11日の午後。デヴィッド・ボウイ死去の報が世界中をかけめぐった。


彼の死を悼む番組では、「イギリス出身のロック歌手で、30本を超える映画にも出演した俳優でもある」などと表現されていたが(実際に出演でクレジットされている映画は40本に上る)、音楽に縁遠く役者としての顔しか知らないという方も多くいらっしゃることだろう。


彼の出演作をいくつか紹介しようと思う。


『地球に落ちて来た男』
原題:THE MAN WHO FELL TO EARTH
1976年
監督:ニコラス・ローグ
出演:デヴィッド・ボウイ、リップ・トーン、キャンディ・クラーク、パック・ヘンリー


物語は、滅亡の危機にある星に妻子を残し、移住できる星を求める旅へと出発した男が、不慮の事故で地球に墜落するところから始まる。男は地球人を装いトーマス・ジェローム・ニュートンと名乗る。故郷の星から持ってきた鉱物を元手に大富豪となり、故郷へ戻るための宇宙船開発に取り組むが、彼が異星人であることに気が付いた研究者達により全てを取り上げられ長い軟禁生活が始まる。そして、人々が彼のことを忘れ去った頃、自由の身となるが、酒浸りとなった彼はただひとり地球人とは別の時を生き続けるのだった。


原作はウォルター・デヴィスの小説「地球に落ちて来た男」。脚本のポール・メイヤーズバーグは、主人公の異星人トーマス・ジェローム・ニュートンに「わたしの人生は秘密ではないが、個人的なものなので公表しない」と私生活を一切見せなかった大富豪ハワード・ヒューズのイメージを投影したという。時間に追われることなく悠々と過ごす謎を秘めた大富豪の姿は、本来の姿を隠し老いることの無い異星人の姿として描かれた。1970年代前半にデヴィッド・ボウイがはアルバムやステージでジギー・スターダストという異星人キャラクターを演じており、その姿あってのこの映画への起用だったのだろう。ジギーの造形とこの映画の異星人のイメージが共鳴しあって、その後の「デヴィッド・ボウイ」というキャラクターの確固たる土台になった。


なお、2015年12月にニューヨークで上演された舞台『LAZARUS』は、前述の原作小説にインスピレーションを受け、デヴィッド・ボウイと劇作家エンダ・ウォルシュによって書かれ、イヴォ・ヴァン・ホーヴェが演出・監督した。ニコラス・ローグによって映画化された『地球に落ちてきた男』の主人公トーマス・ジェローム・ニュートンに焦点を当て、小説から40年後の世界を舞台とし、彼に安らかな結末を迎えさせてあげたい、宇宙に返してあげたい、と願う天使と出会う物語である。舞台では遺作となったアルバム『★』に収録されている“Lazarus”の他、 “This Is Not America”や“Life On Mars”、“All the Young Dudes”、“Heroes”といった彼の過去の名曲がフィーチャーされている。




『ジャスト・ア・ジゴロ』
原題:JUST A GIGOLO
1978年
監督:デヴィッド・ヘミングス
出演:デヴィッド・ボウイ、シドニー、ローム、マレーネ・ディートリッヒ、キム・ノヴァク、デヴィッド・ヘミングス、クルト・ユルゲンス


1920年代。主人公のポール(デヴィッド・ボウイ)は、戦場では青年将校であったという誇りを胸に、一匹の豚を手土産に故郷ベルリンへと帰ってくる。荒廃した故郷でつまらないアルバイトで食いつなぐ日々を送っていたポールは、上官だったヘルマン(デヴィッド・ヘミングス)からの政治結社への誘いを断り、今度はバー“エデン”の経営者セマリング少佐(マレーネ・ディートリッヒ)によって見目麗しいジゴロへと姿を変える。その美しさは冒頭の豚を抱えた姿からは想像が付かないだろう。


ところが、政治抗争の激化によって発生した市街戦に巻き込まれたポールは、あろうことか流れ弾に当たって命を落とす。だが、物語はここで終わらない。流れ弾に当たり死亡したのがポールだと知ったヘルマンによって、彼は党員の鏡として英雄にまつりあげられてしまう。冷たかった家族たちも悲嘆に暮れ涙を流し英雄となったポールを見送る。


見た目の美しさだけではなく、内に何かを秘めてはいても面に出さず、運命に翻弄され続ける気弱そうな青年ポールを好演するデヴィッド・ボウイ。前年に発表されたアルバム『英雄夢語り(ヒーローズ)』の一節、“We can be Heroes. Just for one day”の歌詞が呼応する。


撮影では実際に会うことが叶わなかったデヴィッド・ボウイとマレーネ・ディートリッヒ。この作品はマレーネ・ディートリッヒの遺作となった。




『ハンガー』
原題:THE HUNGER
1983年
監督:トニー・スコット
出演:デヴィッド・ボウイ、カトリーヌ・ドヌーヴ、スーザン・サランドン


舞台は1980年代のニューヨークだが、都会の喧騒からはかけ離れた中世の様式美を漂わせた佇まいに、美しいミリアム(カトリーヌ・ドヌーヴ)と、彼女の永遠の恋人となったジャック(デヴィッド・ボウイ)は静かに暮らす。妖しくも美しい二人の吸血鬼は、ゴシック・ポップのバンド“バウハウス”が繰り広げる妖しいステージをみつめながら、犠牲者となる若者を物色する。


ある日、ジャックは突然年を取り始める。独り取り残される寂しさに新しい恋人(スーザン・サランドン)を求めるミリアム。そして姿だけ老いさばらえていくジャックは、遂にミリアムの手で棺へと納められる。


人間離れした美貌を永遠に保つ吸血鬼。そんな役を絶世の美女カトリーヌ・ドヌーヴとともに演じるデヴィッド・ボウイ。その美しさは別格である。特殊メイクによって老いさばらえていく姿すらも美しく感じられるのは、デヴィッド・ボウイだからだろうか。




『戦場のメリークリスマス』
英語題:MERRY CHRISTMAS, MR LAWRENCE
1983年
監督:大島渚
出演:デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、トム・コンティ、ビートたけし


第二次世界大戦の中、ジャワ島の奥の山中にあった日本軍捕虜収容所を舞台に、当時の日本軍人の心意気や生き様をかっこよくも苦々しく描きだす。戦争映画でありながら戦闘シーンは無い。


捕虜収容所で起きた事件を軸に、収容所所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)と粗野な軍曹ハラ(ビートたけし)という対照的な二人と、日本語が少し話せるため連絡役となった英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)と反抗的な陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)との間には、徐々に友情が生まれていく。


原作はサー・ローレンス・ヴァン・デル・ポストの「影の獄にて」「影なき牢格子」「種子と蒔く者」の三部作である。彼は1926年に日本に滞在しており、第二次世界大戦中のジャワ島で日本軍の捕虜となった際、多少の日本語が話せたため日本軍との連絡将校を務めた。


この映画でデヴィッド・ボウイを初めて観た、という方も多いはずだ。砂埃にまみれた軍服や薄暗い屋内や全編に漂う鬱屈した空気といった色彩の薄い画面の中で、青く鋭くそして力強い瞳に、風に揺れ輝く金髪、そして、鮮やかな赤い花をむしゃむしゃと食べる姿は見た人の心に強烈な印象を残す。日本軍将校ヨノイ(坂本龍一)の心に深く刻まれるという役割を担うには、これほどに最適な存在はなかっただろう。大島渚監督が焼酎のコマーシャルに出演していたデヴィッド・ボウイを見て依頼した、というのも頷ける話だ。


撮影中、坂本龍一はこの映画の音楽をデヴィッド・ボウイと共作できないかと考えていたそうだが、ボウイが余りにも演技に専念していたためになかなか言い出せず、結果的にはボウイは俳優としてのみこの映画にかかわることとなった(撮影が終了したら、後にとてつもない世界的ヒットとなる『レッツ・ダンス』のレコーディングに入ることにもなっていた)。あの有名なテーマ曲のヴォーカル入りヴァージョンを録ったのは同じデヴィッドだがシルヴィアンである。


『ラビリンス/魔王の迷宮』
原題:LABYRINTH
1986年
監督:ジム・ヘンソン
出演:デヴィッド・ボウイ、ジェニファー・コネリー、マペット


幼い弟の世話に手を焼いていた美少女サラ(ジェニファー・コネリー)に、奇抜な衣装に身を包んだゴブリンの王ジャレス(デヴィッド・ボウイ)が妖しく迫る。ゴブリン達とかけあいながら、煩わしいことなど何も無いと実に楽しそうに歌って踊るジャレスは、美しく着飾ったほんの少し大人っぽいサラの手を引き夢の世界へと誘っていく。


キラキラと輝く舞踏会のシーンはおとぎ話やファンタジーの世界そのもの。『セサミ・ストリート』等で知られるジム・ヘンソンお得意のマペット(とはいえカエルのカーミットなどよりも遙かに造形の凝った人形たちだ)の動きや表情のひとつひとつ、クリーチャーたちの細かな動きやセットの素晴らしさ、撮影技法の面白さが目を引く。そして、デヴィッド・ボウイならではの怪しさと美しさが、ゴブリンの王という存在を面白くしている。少女の夢の存在である彼は、少女が夢から現実へ目を向けた瞬間にもろくも崩れさる。その悲しみの表情はほんの一瞬。その一瞬にジャレスの思いの全てが表現されている。


ジェニファー・コネリーは、ボウイ逝去に際して「14歳の時に初めて会ったのですが、それまでこんなとんでもないアーティストと会ったことはなかったし、その後もです。彼がいなくなって世界はより灰色になることでしょう」とコメントを出している。




『ニューヨーク恋泥棒』
原題:THE LINGUINI INCIDENT
1992年
監督:リチャード・シェパード
出演:ロザンナ・アークエット、デヴィッド・ボウイ、マーリン・マトリン、エスター・バリント


ニューヨークはマンハッタン。流行の先端を行くようなバー“ダリ”を舞台に繰り広げられるラブ・コメディ。


文字通りダリの絵をモチーフに作られた“ダリ”。子供の頃から天才マジシャンのフーディーニのようなエスケープ・アーティストになることを夢見るウェイトレスのルーシー(ロザンナ・アークエット)に、ハンサムでミステリアスでどこか飄々としたバーテンダーのモンティ(デヴィッド・ボウイ)が、グリーンカード(=永住権)を得るために偽装結婚をもちかけるところから騒動が巻き起こる。


デヴィッド・ボウイ演じるモンティは、見た目の格好良さとは裏腹にちょっとマヌケ。ジュリアン・テンプル監督による短編『Jazzin' for Blue Jean』でデヴィッド・ボウイが見せた間抜けなペンキ屋を彷彿とさせる。


出演者それぞれの個性と物語の展開がとてもよく合っていて、ロザンナ・アークエットの演技もさることながら、過激なファッションで登場する彼女の親友ヴィヴィアン役のエスター・バリントがいい味を出している。デヴィッド・ボウイと結婚する直前のイマンがちょっとだけ意味深な役で出演しているのも一興。




『バスキア』
原題:BASQUIAT
1997年
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:ジェフリー・ライト、マイケル・ウィンコット、デヴィッド・ボウイ、デニス・ホッパー、ゲイリー・オールドマン、クリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー、コートニー・ラブ


1988年、27歳の若さでこの世を去ったジャン=ミシェル・バスキア。彼の親友であるジュリアン・シュナーベルが監督を務め、彼の生涯をつづる映画である。


ニューヨークに暮らす黒人の青年バスキア(ジェフリー・ライト)は、“セイモ”と名乗るストリートの落書きアーティスト。バスキアの絵を気に入った美術評論家のルネ・リカード(マイケル・ウィンコット)によって売り出され、次々と対策を製作し金と名声を手に入れる。


バスキアはアンディ・ウォーホル(デヴィッド・ボウイ)とも親しくなり、大物画商プルーノ・ビショップベルガー(デニス・ホッパー)が協力を申し出ると、それまでの恩人や友人達よりも大物達を相手にするようになり、友人達は次々に離れていった。アンディ・ウォーホルとだけ親交を深めていたバスキアは、彼の急死によりドラッグの吸引を加速させ、遂にヘロインの過剰摂取でこの世を去るのだった。


アンディ・ウォーホルが実際に着用していたカツラやサングラスやジャケットを着用し、思い入れたっぷりに役を演じるデヴィッド・ボウイと、実際にアンディ・ウォーホルと親交のあったデニス・ホッパーが実に楽しそうに画商役を演じ、二人が連れだってニューヨークの町を歩く姿がとても印象的である。ウォーホルの急死をバスキアに告げるデニス・ホッパーの涙は演技では無かったようにすら思える。




この他にも、PV出身監督ジュリアン・テンプルの『ビギナーズ』(1986)とか、マーティン・スコセッシがキリストの生涯を描いた『最後の誘惑』(1988)とか、デヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最後の七日間』(1992)とか、『エブリバディ・ラブズ・サンシャイン』(1998)とか、クリストファー・ノーランの『プレステージ』(2006)とか……出演作品を数えていくと実に40本にも上る(ちなみに彼の音楽が使われた作品について言えば、TVシリーズなども含めるとなんと500作品近く!)。もちろん全てが重要な役というわけではなく、ほんのチョイ役という場合も少なくなかったが、例え一瞬であっても観る者に強烈な印象を残すのがデヴィッド・ボウイという人である(だからこその起用でもあっただろう)。


数々の多彩な役柄以上に彼が演じきったのは、他ならぬ「デヴィッド・ボウイ」というキャラクターそのものだったのかもしれない。音楽や映画のみならず、さまざまな場面で強烈な印象を残す存在だった。ほんの数秒しか登場しないこともあるが、その役割を充分に、いや、おそらくそれ以上の存在感をもって演じていた…


最後のアルバムとなった『★(ブラックスター)』の最後の曲は「I Can't Give Everything Away」というタイトルで、執拗にその歌詞が繰り返される。爽やかな曲調もあいまって、さながら『デヴィッド・ボウイ』という映画のエンド・クレジットに流れる余韻溢れるクロージング・ソングのようである。



(2016年1月16日/田村涼子)
(2020年9月15日一部改訂/ryo.ta)

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昨年、前担当の方に確認をとっておりましたが、なかなか掲載のタイミングがなく今になりました。
お誕生日の日に追悼文もなぁ…と、思っていたのと、情報が次々出てきてまとめるだけで手いっぱいになりました。節目(5年)だったんだ…と後から気づきました。追悼イベント・コンサートだけでなく、記念商品などがまだまだたくさんあるようで、ネットを開くと次々と情報が飛び込んできてぐるぐるしています。

David Bowie はいつまでも、みんなの心の中に生き続けているんですね。


#davidbowie #映画 #追悼
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Happy Birthday !!

2021-01-08 05:16:42 | #david bowie

2021年も、新年の挨拶をしないままに、8日が来ました。

Happy Birthday !!  Mr. David Bowie!!

今日は、David Bowie の 74回目のお誕生日!!



昨年は、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大により、全世界的にさまざまな影響が出ており、人や荷物の移動のみならず、コンサートや舞台といったものものきなみ中止になったり、楽しみが半減し、なおかつ…自衛・自粛の生活により、なんとなく…時間はあれどもやる気にならず(覇気がない)で過ごしてしまいました。

同人誌即売会(コミックマーケット)の開催が一度もなかったことも初めてですが、TRASHさまのスペースにお邪魔して情報ペーパーを配布しているのに、それすらもなかったせいか、情報はいろいろとあったにもかかわらず、全く何もしていませんでした…


2021年も、まだまだいろいろとありそうです。 チェックしきれていませんが…

◯rockin'on 2021年(1/7発売)2月号
特別付録:David Bowie ポスター付き!
総力特集「5 YEARS デヴィッド・ボウイ」


◯ "LAZARUS"ロンドン公演 ストリーミング配信
 2021年1月8日〜10日の間
「地球に落ちて来た男」に触発されて作成されたミュージカル "LAZARUS"ロンドン公演が、ストリーミング配信されます。
詳しくは下記より
https://culturalattache.co/2021/01/07/honoring-david-bowie-with-lazarus-a-bowie-celebration/


◯【A Bowie Celebration: Just For One Day!】

2021年1月8日(現地時間11時)
Bowie生誕74年を祝うヴァーチャルイベント開催。
豪華アーティストが次々と参加を表明している。
詳細・チケット購入は下記


◯ストリーミング・イベント<TVC8121>

「Celebrating David Bowie」のプロデューサーAngelo “Scrote” Bundini主催
David Bowie Newsの公式サイトにて日本時間1月8日午前9時からスタート


◯ "Mother" 初収録7インチ発売
74年目の生誕記念に、John Lennonの"Mother"とBob Dylanの"Tryin’ To Get To Heaven"の7インチシングルが発売になります。
詳細はこちらへ
https://www.facebook.com/watch/?v=2779345738991104
MP3ダウンロード販売もあるようですよ
https://www.amazon.co.jp/Tryin-Heaven-Mother-David-Bowie/dp/B08Q6DJVJQ/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=David+Bowie&qid=1610050942&sr=8-3 


◯『David Bowie in Jazz』
デヴィッド・ボウイの名曲をジャズ・アレンジしたトリビュート・アルバム


◯『In The White Room』
1995年のライブ音源ぽいかな…
ちょっと詳細はわかりませんが



それから少し先ですが…

◯BOWIE × KYOTO × SUKITA
 時間〜TIME 鋤田正義写真展
 期間:2021年4月3日〜5月5日
 於:美術館「えき」KYOTO
https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/ 


◯David Bowie by Sukita 
出版社 : Klasing & Co; Bilingual版
発売日 : 2021/3/24
ハードカバー : 128ページ
 (英語、ドイツ語)
 


◯デヴィッド・ボウイ 無を歌った男
田中 純  (著)
出版社 : 岩波書店
発売日 : 2021/2/18
単行本 : 640ページ



◯CROSSBEAT SPECIAL EDITIO
デヴィッド・ボウイ1989-2016
出版社名:シンコーミュージック・エンタテイメント
発行年月日:2021/02
B5判ムック/190ページ
 

こんなところかな…
インターネットをみていると、情報があふれていて、 なんか、あれから5年も経とうとしているとは、思えなかったり…します。

あぁ…、なんだかブログの入力が変わっていて、Amazonへのリンクがうまく貼れない。
他のもなんか…表示が変。
ヘルプを見ると、リンクボタンらしきものがあるらしいけど、入力画面にそんなものはない…
なぜだろう。。
しかも、改行すらしてくれず、タグを手入力している始末。。
困ったなー。。

追記:ちょっとだけ修正できた・・
やれやれだ…

追記2:画像がうまくいかない。もう、ほんとに使いにくい・・
リンクの貼り方もいちいちプレビューしてから表示方法を選ぶし、何より、入力画面の窓が狭くて狭くて不便すぎるーーー。



コメント
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