ネットのニュースや、ソーシャルメディアのコメントで、いつも気になることがある。
個人や個々の組織のコメントを、さも全体総意のように言うことだ。
たとえば、
中国人が犯罪を犯すと、「だから中国人は」と反応したり、
痴漢のニュースに「男っていうものは」と言ったりすること。
最近のことではない。
ソーシャルメディアが浸透する以前から、その傾向があったように思う。
だが、最近、その傾向が顕著になっているように感じる。
もうすぐパリ五輪が始まるが、女子体操選手の飲酒喫煙スキャンダルが報道され世間を賑わせている。
選手は出場を辞退したが、その処分のあり方に、いろいろな議論がわき上がっている。
そんな中、作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏が、以下のようなメッセージを、X上にポストした。
ああ、またか、というのが第一印象だ。
「つくづく日本人は劣化している」との書き出しで、事実を日本人というスケールに拡大し、それを俯瞰する自分をアピールしているようで、感じ悪い。
対象は、女子体操界の幹部であり、日本人全体で無いことは自明である。
また、「規則尽くめの杓子定規が日本をダメにしてきた」という主張にも、論理的に無理がある。
規則尽くめ&杓子定規と日本をダメにしたが、対等であるはずもなく、個人の感想でしかない。
ぼくも、今回の処分については、同情的だ。
ルールを破ったのだから、ペナルティーは必要だと思うが、それが辞退とは重すぎる。
五輪に出場するには、人並み以上の努力が必要だ。
大きな犠牲も、払ってきただろうと想像すると、同情の念を禁じ得ない。
ここだけのはなし、未成年の飲酒や喫煙なんて、ぼくの回りでは、普段の風景だ。
できるなら、本人が反省の弁を述べ、五輪へ出場させて欲しい。
そして、未成年の喫煙や飲酒撲滅の、アイコンになって欲しい。
こころから、そう思う。