戦時中の昭和18年に発行された讃美歌集です。タイトルに「興亜」が付くところに時代を感じさせます。
表紙をめくると、まず序文ですが、こんなことが書いてあります。
「このたびの少年讃美歌集は全編すべて邦人創作となり、決戦下、我が教界の要請に応ずる重要なる賛美歌集……」
「祖国が大いなる飛躍を遂げ、アジヤに新しき国々が興るこの光栄あるこの御代……」
讃美歌の中身もすごいです。「応召軍人を送る」の歌詞はまるで軍国歌謡のよう。
♪暴虐の仇を懲らして 大東亜 築かんために ふるさとを いま出立(たちい)づる もののふよ いざ征けや征け
♪海行かば 水漬(みづ)く屍と かへりみず 戦争に征きし 防人(さきもり)は 汝の御祖(みおや)よ ますらをよ いざ征けや征け
戦時中とはいえ、讃美歌がこんなことになっていたとは……。
讃美歌集の目次を見ると、まずは軍国歌謡のような曲が並んでいます。祖国日本、少年愛国の歌、戦時の少年、皇国の少国民、大東亜建設、皇国、興亜の歌。そのあと本来の讃美歌らしい曲が現れます。
終戦記念日にあたって、戦時中の讃美歌集をご紹介してみました。
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