戦後間もなくのころ、磯子区の芦名橋近くに「アテネ劇場」がオープンした。いろいろな書籍・資料には昭和21年秋、あるいは9月に開館したということが書かれているが、正確な月日は不明。
そこで、当時の神奈川新聞を総めくりして調べてみた。戦争が終わって1年ほどなので、普通のニュースには出ていない。やっと見つけたのは劇場をオープンするという、アテネ劇場が出した広告だった。8月22日に掲載されたもので、開館予定日は書かれていないが、「近日開場」ということを予告している。
その後、同劇場が出した初めての映画案内広告は9月24日の新聞。長谷川一夫、エノケンの「韋駄天街道」だった。ということで、アテネ劇場がオープンしたのは8月下旬から9月中旬までの間のどこかと思われる。
そして今回取り上げている「舞踏会の手帳」が2回目の広告として昭和21年10月1日の新聞に出た。どんな映画だったのか少し調べてみた。
これは昭和12年(1937)の制作で13年に公開されたフランス映画である。あらすじ、出演者などはこちらから。主題歌は「灰色のワルツ」。この曲の作り方について、三輪明宏さんが興味深い解説をしている。
同じころ、「杉田劇場」では時代劇や歌舞伎をやって多くの観客を集めていたが、浜の「アテネ劇場」ではこんな洋画をかけていたのだった。
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