旧杉田劇場の看板役者だった大高ヨシヲ。この写真は彼の葬式の際に撮影されたもので、日付や場所については裏書きがありません。
ただ、このようなメモが貼られています。葬儀というのは正しいのか、もしかしたら納骨の日だったのではないかとも考えられます。
そして1列目右端の女性が着ている和服は柄物です。昭和21年の葬儀にはこんな着物を着ていたのでしょうか。お坊さんの右に立っている女性の服も、なんか違和感があります。
メモの中に「中央 支配人 大江三郎」とあります。どの人物を指しているのでしょうかね。普通に考えたら、骨壺を持っている男性が中央と考えられますので、この人が大江三郎なのでしょうか。
大江三郎という人は演出家でもあったのですが、そんな風には見えません。むしろ、その後ろにいる丸メガネのほうが、演出家っぽくないでしょうか。
裏のメモ書きももう少し具体的に書いておいてほしかったところです。
謎はまだあります。
撮影場所はどこなのでしょうか。
3月5日(火)に開催する「第64回いそご文化資源発掘隊」で講師を務める井上学さんは、右端に写っている柱に注目しました。その上部には「世音」と読める提灯が見えます。そこから、この場所は弘明寺観音ではないかと推測したのです。
そして、建物の周囲に張り巡らされている柵にも注目。インターネットで弘明寺観音の画像を見ると、このような柵があることが分かりました。
こうなったら直接、弘明寺に行くしかありません。そこで後日、杉田劇場の職員2名も一緒にお寺の住職を訪ねてみました。
で、現地でこのような柵を確認。これでほぼ、葬儀の写真は弘明寺であることが確実になってきました。
建物をじっくり観察したあと、お寺の方や住職から情報をお聞きすると、この写真は弘明寺で間違いないという答えをいただきました。
ただし、冒頭の葬儀の写真に写っているお坊さんは、弘明寺にはいなかった、とおっしゃるのです。
となると、このお坊さんは誰なんでしょうか。どこの寺の人なのか…… もしかしたら、大高ヨシヲが事故死した木曽のお寺から住職が来たのでしょうか。
謎はまだまだ解けていません。
3月5日(火)には解決しているのかな。
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by うめちゃん
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