当店で区議と面談してもらう為に、以前より「生保を受けたい」と言っていた路上生活者を寝床へ迎えに行った。早めに店に着き、話を伺っていると、どうも様子がおかしい。「怒られないでしょうか」と怯えている。聞けば、生保を利用するのは初めてではないらしい。「困ったら何回でも利用すればいいんですよ」と伝える。
面談がスタートしてからも、過去の記憶がボヤケていて、時系列がハッキリしない。それどころか「この店に来た事がある」と話す。これまでに面談した方は10名もいない。全員覚えているが、見せてもらったマイナンバーカードの名前は記憶に無い。認知症なのだろうか。
「やっぱり来てるよ。見たことある」と隣で聞いていた母が言う。確かに思いあたる人はいる。4月に相談に来て生保でムテイに入り、脱走して行方不明になった方によく似ている。ただ、名前と経歴が違う。区議と明日に役所へ行く約束をし、寝床へ帰って行った。
その後に無料弁当20個を2個ずつ10名の方へ配達。
配達ついでに、相談に来た方の横で寝るベテランに経緯を話すと「以前に橋本さんが連れて来た方ですよ」と言う。4月に役所へ行く前日に一晩だけ、寝床の隣を借りたのを思い出す。それを思い出して、ここに舞い戻ったのだろうか。店に戻ってから過去の記録を見ると、産まれた年と出身地は同じだった。
同一人物である可能性が高いことを区議にメールで伝えた。マイナンバーカードが偽造なのか、それとも以前に来たときが偽名なのか。または脱走した後に記憶障害か認知症になったのか……。役所が記録を調べればすぐに分かること。赤羽に戻って来たという事は、私達を頼ってくれたという事だろう。
いつも配達している方がいないので、公園に行くと、ベンチに座っていた。「何かの団体なんですか?」「いえ、ただの飲食店です」初めて色々と話すことができた。生保をなぜ受けないのか聞くと「もっと年をとってからとるもの」などと言う。「年齢は関係ないし……年をとる前に身体を壊しますよ!?」
建築現場で働いていたが今は仕事はせず、各地の炊き出し会場に行き、飢えをしのいでいるらしい。赤羽から、池袋や上野まで徒歩で移動するとのこと。荷物があるので大変とのこと。いつしか赤羽にたどり着いたらしい。若く見えたが、意外と年配だった。今夜はとにかく話せてよかった。はじめの一歩。
(12/10.11のTweetより 一部修正)
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