美由紀は、実は “見える”子でした。
そこにいるはずのない人をしばしば見てしまう子なんです。
山道で父親と出くわした美由紀。
「美由紀…」と声を掛けられます。
「そっちには、もう行かないから」と答えますが、
美由紀の父親がそこにいるはずはないのです。
直後に父親の姿は消え失せていますが、美由紀はさして驚きません。
「そっちには、もう行かないから」
これは映画の冒頭で、美由紀が森で倒れていたことと関係がありそうです。
山小屋を取り壊され行方不明になった菊池を探し、美由紀は森の中を彷徨います。
そして、ようやく斜面に座り込む菊池を見つけ、
「私があんな子、連れて来るから…すいません」と、
話しかけるのですが、菊池はじっと前を見つめたまま、答えようとしません。
不審に思った次の瞬間、
そこには誰もいないことに美由紀は気が付きます。
そこにいない菊池が見えた…
それがどういう意味かすぐに理解した美由紀は、もう一度あたりを見回します。
美由紀は過去に、癒えることのない心の傷を負っています。
その衝撃的な体験によって、身に付いた能力かもしれません。
この映画は決してオカルトやホラーではありませんが、
ちょっと怖いファクターを確かに含んでいました。
余談ですが、
ニットの帽子が、今も昔もよく似合っています。
(^_^)
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