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ラマン(愛人)に貴女はなれますか。

2006年12月22日 02時44分42秒 |  オトメのうずうずっ(((*μ_μ))

世良ふゆみさんの新作(12月28日発売)の中にこんなシーンがあります。

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「ボク、リサさんのラマンにしてもらおうと思ってさ」
 車は渋滞にはまっていて、少しずつしか進まない。でもルイはイライラしたり舌打ちをしたりすることなく、穏やかな表情でハンドルを握っていた。
「ラマンって愛人っていうこと?」
「うん。フランス人女性ってラマンを持ってる人けっこういるんだ。ボクも若い頃、ある女の人のラマンだった」
「いくつのときに、いくつの人のラマンだったの?」
「ハイスクールのときずっと。相手は三十代だったかなあ。あんまり年とか気にしないからわからない」
「ふうん。その人結婚してたの?」
「一緒に住んでいた人はいたけど、籍は入れてなかった。パリの女の人って、結婚しないんだよ、あんまり」
 だからリサとつきあうことにも抵抗はないということなのだろうか。リサは黙ってルイの話を聞いていた。
「でも、ハイスクールを卒業する頃、今の恋人と出会って、ラマンはやめた。ボクの恋人はハイスクールの後輩で可愛い人なんだ。ボクが日本で大学入るって言ったら、すごく泣いたけど、待っててくれるって」
「じゃあルイは大学卒業したらまたフランス行くの?」
「そうだね。フランスの方が合ってるから。あっちで大学院に入ろうかと思ってる」
「そうなんだ」
「寂しい?」
 ルイが悪びれない顔でリサを見ている。
「そりゃあね」
「じゃあときどき帰ってくる。リサさんが待っててくれるなら」
「でもどうして、わたしのラマンになろうと思ったの?」
「リサさんって、全然イヤなこと言わないでしょ。人の悪口とか、不満とか。お店の女の子たちって裏に行くとお客さんのこと悪く言ったりしてるしさ、慶子さんなんかも疲れてるときって怖いじゃん。でもその中でリサさんは天使みたい」

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「星が綺麗だね」
 リサが空を見上げていると、
「寒いでしょ」
 ルイがつないでいた手をほどき、リサを後ろから抱きしめた。
「うん、寒いね。十二月の終わりだもんね」
 うろたえて、つまらない受け答えをしてしまった。鼓動が早まっているのが、きっとルイにも聞こえているだろう。
「こっち向いて」
 ルイの胸の中で、リサはくるりと回転した。斜めにしたルイの顔がゆっくりと近づいてきて、二人は二回目のキスを交わした。一度目よりもずっと長く、熱いキスだ。
「ねえルイ」
「何?」
 ルイは大きな瞳でリサの顔をのぞきこむ。
「ううん、なんでもない」
 どういうつもりなの、なんて尋ねるのは野暮だ。
「リサさん、抱きたい。いい?」
 ルイはリサをぎゅっと抱きしめて耳元で囁く。そのあまりにも甘い囁きに、リサは膝から崩れ落ちそうになりそうだった。

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ルイのような男があらわれたら貴女はラマン(愛人)にしますか。


編集部


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