断捨離中にふと手にした本を 2階の窓辺に張り付いて読み始めてしまいました
ガラス越しの日射しは熱いほどで 日に焼けたように頬がひりひりしたほどです
日ごとに光は明るく 力強くなっているのは明らかです
本のタイトルは「わが一期一会」 井上 靖著
昭和49年から50年にかけて 毎日新聞日曜版に連載された随筆をまとめたもの
夫が買ったのか 姑が買ったのか 少なくとも私は未読でした
旅情 別離 人生 詩 小説……について 自由に書かれている
随筆なので興を感じた章から拾い読み
「春近し」という章でちょうど今頃のことに触れられていましたので・・・・・ちょっとお付き合いください
中略・・・・・厳冬期であるから、寒さに襲われているのは当然であるが、しかし、そうした中で
春を待つ気持ちは、誰の心の中でも頭をもたげて来ている。しかし
中略・・・・・大気中の自然の運行はなかなか複雑微妙で、決して順調に春が近付いてくるわけではない。
日本の自然は、春を用意するまでにたいへん複雑であり、気紛れでもあるが、大きく見れば頗る几帳面な動きを見せて
いるのかも知れない。梅も、杏も、李も、桃も、桜も、それぞれ待機していて、春という舞台への出番を間違えることはないのである。
長々しく引用させていただきましたが 今頃の気候が美しく的確に著されていて 最後の明るい結びも好もしく感じました