豆日記

小豆原一朗の日記

夏の終わり

2015年09月01日 | 豆日記
夏が終わった。
ツアーファイナルも終わって、久々のソロライブもひとまず終了。

8月の終わり頃、パンパンの塔のアー写もやってもらってるカメラマンの知世さんに「浴衣男子が撮りたいのでモデルお願いします」と言わた。
モ、モデル…。

正直なところ僕は写真撮影が苦手だ。ライブ写真なら全然いいんだけど。
カメラに緊張して固くなってしまう。非常にダサいことに。
以前アー写を撮ってもらった別のカメラマンに言われた言葉がある
「ミュージシャンにとって見た目は避けて通れない道です。極端に言えば写真は音源と同じくらい重要視しなくてはいけないんです。」と。
ミュージシャンは音源さえかっこよければいいんだから。と思い込んでたけど、言われてみれば無意識のうちに僕は見た目でも選んでいた。
中学生の頃、本屋にあったロック雑誌のマリリン・マンソンに衝撃をうけてCDを親に買ってもらい洋楽を初めて聞いたのだった。他にもスリップノット、ダフトパンク、システム・オブ・ア・ダウンといった見た目パンチのあるものからウィーザー、くるり、ナンバーガールといったメガネ系(メガネに親近感を覚えてついつい買っていた)。
あれ、音源はイマイチだなー、とガッカリすることはあったものの買っていたのは事実。
それにジョンレノンはあのヒョロッとした顔だからいい。レッチリがマッチョじゃなかったら嫌だ。TOOLが気持ち悪くなかったら嫌だ。
そう、見た目って大事だ。
自分を鍛えるためにも勇気を出してオッケーした。

しかし、「浴衣男子」
恥ずかしながら着物をちゃんと着たことがない(成人式は風邪ひいたし)。
帯とかどういう仕組みになってんのか全く不明。
撮影のお手伝いさんがYOUTUBEにある「貝の口の結び方」を見ながら慣れないながらも帯を巻いてくれた。
自分でも出来るように学ぼうとしたけど全然分からなかった。
密着感がなく常に風が通っていて涼しい。そして妙に落ち着く。いいな、浴衣。
女の人は更に着付けが大変ときいたので落ち着かないのかな。

ロケ地は大正6年に建てられた墨田区指定の文化財の住宅。
観光するお客さんもチラホラいる中で撮影。
「絶対に触れないで下さい」と念をおされたものばかり。ガラスも大正時代のもの。
そんなものに囲まれて緊張するかと思ったら、これまた妙に落ち着く。日本人の血なのか。

知世さんにお願いされて本を数冊持ってきた。
使われたのは夏目漱石「こころ」、カフカ「短編集」、蓮實重彦「物語批判序説」。
手元に何か持ってるだけでもカメラへの意識はかなりなくなる。後半にはマジ読み、マジ寝。
遊びでカフカの「雑種」を朗読する動画も撮ったりした。改めて面白い話だな、と感心。

知世さんの「まめさん、かっこつけて下さい」というリクエストには困ったものの、気づけば撮影を楽しんでる自分がいた。頭でイメージしたポーズを違和感なく出来たりすると快感だったりする。これは創作と演奏と共通する快感。

出来上がった写真は知世さん特有の「凛としてる」という部分が全開の素晴らしい写真。
あと、知世さんの撮る女性はセクシーで本当に素晴らしい。個展の計画もあるそうです。
知世さんのホームページ
































アナログとデジタルのカメラの違いが面白い。
違うといえば撮影帰りによった喫茶店のケーキがメニューと違った。

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