京の一枚

京都 青モミジと松尾芭蕉の金福寺


左京区一乗寺才形町にある金福寺は、第三代天台座主の円仁(慈覚大師)の作といわれる聖観音菩薩をご本尊とする寺院です。


金福寺の創建は清和天皇の貞観六年といわれ本堂の南に広がる枯山水の庭の後方には、平安時代から変わることのない東山の峰を眺めることができます。


円仁(慈覚大師)の遺志を継いだ安恵(あんね)僧都が創建された当時の金福寺は天台宗の寺院でしたが、鎌倉時代から江戸時代初めまで荒廃していたこの寺を貞亨年間(1684年~1688年)に圓光寺の住職・鉄舟(てっしゅう)が再興したことから臨済宗南禅寺派の末寺となったそうです。


当寺は松尾芭蕉と与謝蕪村にゆかりのある俳句の聖地として、或いは舟橋聖一の歴史小説『花の生涯』などのヒロイン村山たか女の終焉の寺としても知られています。




憂き我をさびしがらせよ閑古鳥  芭蕉


我も死して碑に辺せむ枯尾花   蕪村


徂く春や京を一目の墓どころ   虚子




芭蕉庵の由来


元禄の昔、芭蕉は山城(京都)の東西を吟行したころ、当寺の草庵で閑居していた住職 鉄舟和尚を訪れ、風雅の道について語り合い親交を深めた。


その後、和尚はそれまで無 名であった庵を「芭蕉庵」と名づけ、蕉翁の高風をいつまでも偲んでおられた。


85年後、与謝蕪村が当寺をたずね来た。


其の頃すでに庵は荒廃していたが、近くの村人 たちは、ここを「芭蕉庵」と呼びならわしていた。


芭蕉を敬慕していた蕪村は、其の荒 廃を大変惜しみ、安永5年庵を再興し、天明元年俳文「洛東芭蕉庵再興記」をしたため 当寺に納めた。


庵が落成したとき次の句をよんだ。






耳目(じもく)肺(はい)腸(ちょう)ここに玉(たま)巻(ま)く芭蕉庵   蕪村






■アクセス


京都駅から京都市営バス5号系統「一乗寺下り松町」下車


四条河原町から京都市営バス5号系統「一乗寺下り松町」下車


京阪三条から京都市営バス5号系統「一乗寺下り松町」下車




■駐車場 自家用車2台分 無料


■拝観料


大人・大学生 300円 高校生・中学生 200円 小人無料


■拝観時間 9:00~17:00


■休日 1/16~1/31 8/5~8/20 12/30~12/31


■住所 〒606-8157 京都府京都市左京区一乗寺才形町20


■電話 075-791-1666









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