天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2015-04-30 18:58:04 | エッセイ
「本当は」

雨の多い春でした。肌寒い日が続きました。それでも、いつのまにか野花は咲いているのです。なかなか暖かくならないとふてくされているうちに、春は明るい笑顔で私たちの隣に座っています。きちんと巡る宇宙の不思議。人知の及ぶところではありません。私は特に今の季節に、大いなる世界を感じます。生命に満ちたこの宇宙にひれ伏してしまいます。ひれ伏すということは、委ねるということです。それは、余分な力を抜き、素直になることです。

そして今、きららかな初夏がやってきました。日ごとに強くなる日差し。日ごとに輝く海の色。白鷺が逢引を重ね、燕が巣を作ります。日々の色が鮮やかになっていきます。生命は大きなタイムスケジュールに沿って動いていきます。人間は…?人間はどうなのでしょう。抗っているけれど、結局はそのタイムスケジュールにのみこまれているのかもしれません。

人間は、「万物の霊長」だなんて気どっているけれど、宇宙の理に組みこまれたピースの一つ。

それに気付くことのできる季節です。