かわいい君を好きになるんじゃなかった。私はため息をついてしまう。
冬の夜ふけ。二人は小リスのように睦みあって、くっつきあって眠る。そんな時、私は綿菓子にくるまれているような気分になる。甘くて、溶けてしまいそうなピンク色の雲。
なぜ君は私を選んだのだろう。聞いたら、君はふわふわと笑って、それでもちゃんと答えてくれる。それは、わかっているんだ。
けれど、私は尋ねない。なんだか、聞いたら、魔法が溶けてしまいそうだから。(意地悪な言い方をすると、私の君への幻想が壊れてしまうということかな。)
こんならちもない、ひねくれた考えの私は、もちろん、君よりうんと年上だ。
私の夜の眠りは浅い。悲しい夢のつなぎ目のたびに、目を覚ましてしまう。ハッと目を開けると、隣には、規則正しい寝息をたてた君がいる。滑らかな肌。長いまつげ。私は、ちょっと憎らしくなって、君の鼻を軽くつまむ。それでも、君は起きないんだから。
そう。繰り返し見るのは、君を失ってしまう夢。かきむしるような苦しみと、ささくれた虚しさで目が覚めるんだ。
いつかは訪れるだろう別れ。(永遠に続くなんて思うほど、若くない私。)私は、君を潰したくない。そこまで、執着したくない。だって、それは、せっかく仲良くなった二人を汚してしまうから。
でも、
別れの時、痛みをこらえて、君を手放すことができるのだろうか。
わからない。
蜜月の今、こんなことばかり考えている私は愚かだ。
それだけ、今は幸福だということなのだが。
私は今、アフォガートの海に溺れている。甘いアイスクリームと苦いコーヒーに混じって、浮きつ沈みつしている。
(アフォガートが溺れると言う意味だというのは、言い得て妙だ。)
冬の夜ふけ。二人は小リスのように睦みあって、くっつきあって眠る。そんな時、私は綿菓子にくるまれているような気分になる。甘くて、溶けてしまいそうなピンク色の雲。
なぜ君は私を選んだのだろう。聞いたら、君はふわふわと笑って、それでもちゃんと答えてくれる。それは、わかっているんだ。
けれど、私は尋ねない。なんだか、聞いたら、魔法が溶けてしまいそうだから。(意地悪な言い方をすると、私の君への幻想が壊れてしまうということかな。)
こんならちもない、ひねくれた考えの私は、もちろん、君よりうんと年上だ。
私の夜の眠りは浅い。悲しい夢のつなぎ目のたびに、目を覚ましてしまう。ハッと目を開けると、隣には、規則正しい寝息をたてた君がいる。滑らかな肌。長いまつげ。私は、ちょっと憎らしくなって、君の鼻を軽くつまむ。それでも、君は起きないんだから。
そう。繰り返し見るのは、君を失ってしまう夢。かきむしるような苦しみと、ささくれた虚しさで目が覚めるんだ。
いつかは訪れるだろう別れ。(永遠に続くなんて思うほど、若くない私。)私は、君を潰したくない。そこまで、執着したくない。だって、それは、せっかく仲良くなった二人を汚してしまうから。
でも、
別れの時、痛みをこらえて、君を手放すことができるのだろうか。
わからない。
蜜月の今、こんなことばかり考えている私は愚かだ。
それだけ、今は幸福だということなのだが。
私は今、アフォガートの海に溺れている。甘いアイスクリームと苦いコーヒーに混じって、浮きつ沈みつしている。
(アフォガートが溺れると言う意味だというのは、言い得て妙だ。)