天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

星のピラミッド

2020-07-03 18:54:00 | 
北極星に導かれた旅人
時の落とし物

砂に隠れて
ひっそりと佇む
ピラミッド

誰にもあばかれなかった
奇跡の墓

スフィンクスは
あくびをしながら
旅人を通す

「門番の役割は退屈だ」
「おまえは主に仇なすことはないだろう」

ピラミッドの内部は
胎内に入り込むような

不思議な懐かしさを感じる

壁には

動物
植物
精霊

踊り惑い飛び跳ね

無表情な大きな目で
旅人を見ている

ファラオの間
黄金で飾られた棺に

ミイラのファラオが
腰かけていた

「一瞬なのか永遠なのか」

シナモンの香り

吹くはずのない
一陣の風

パンの笛の音

旅人は星の海に沈む

これは幻?

星の波が引いていく

ピラミッドを後にする

旅人の姿

謎めいた笑みと
微かなシナモンの香り





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