米国:未成年時に収監されたグアンタナモ収容者のケースを再検討せよ
(ワシントン、DC2009年3月25日)―米国司法省は子どもであった時以来グアンタナモに拘留されている5名の収容者に対して、再検討を迅速に処理し教育他の社会復帰支援を提供すべきであると、本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは司法長官エリック・ホルダーに宛てた書簡で述べた。当該収容者は15歳から17歳に間に、グアンタナモに連れてこられ、現在6年以上も拘留されている。
「米国は拘留中の子どもの処遇に関する国際的義務を一貫してバカにし無視してきた。」と、ジョー・ベッカー、ヒューマン・ライツ・ウォッチ子どもの権利推進局長は述べた。「オバマチームはこの問題を第一優先課題の一つとするべきだ。」
5名の収容者とは以下の者たちである。
モハメド・エル・ガラニ(Mohammed el Gharani)―チャド人で15歳の時グアンタナモに連れてこられた。2009年1月に連邦裁判所が、ガラニの拘留を継続するには政府の証拠は弱すぎる、という判決を下したが、彼は依然としてグアンタナモに拘留されている。
モハマド・ジャワド(Mohammad Jawad)―アフガン人で16歳若しくは17歳の時にグアンタナモに連れてこられ、軍事委員会から殺人未遂の容疑で起訴されている。伝えられるところによると米国に拘留されている間に拷問その他の虐待に遭っていて、少なくとも1回自殺未遂を行っている。
オマル・カドル(Omar Khadr)―カナダ人で15歳の時グアンタナモに連れてこられ、軍事委員会から殺人容疑で起訴されている。以前長期間独房監禁されていて、拷問その他の虐待に遭っていると彼は報告している。
モハマド・カーン・ツマニ(Mohammad Khan Tumani)―シリア人で17歳の時グアンタナモに連れてこられた。彼は身体的及び精神的な虐待に遭っていると伝えられているが、犯罪容疑では起訴されていない。
ファド・アブドゥラー・アーメド・ガズニ(Fahd Abdullah Ahmed Ghazni)―イエメン人で17歳の時グアンタナモに連れてこられた。米国政府によって1年以上前からグアンタナモから釈放するよう身の潔白を証明されたが、依然として拘留されている。