燈子の部屋

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「バカンス捨て」って?

2004-07-09 00:00:00 | 時事
今日は、目を疑うような記事を発見した。

8日、イタリア上院が「動物虐待法」を制定した。
その内容は、ペットの犬や猫を置き去りにした飼い主に対し、
1年以下の禁固や1万ユーロ(約130万円)以下の罰金を科す、というものだ。
そこまではまあよしとしよう。
驚いたのはその背景だ。
なんとイタリアでは、毎年バカンスシーズンが来ると、
ビーチやホテルに同伴できないという理由で、
30万~40万匹の犬や猫が高速道路沿いに置き去りにされ、
うち8割以上が死んでいるというのだ!

そんなこと、信じられますか、あなた!!

自分たちの楽しいバカンスのためには、
それまで可愛がっていた(はずの)ペットを捨てることも辞さないって、
いったいどういう了見なんだろう?
ちゃんと探せば同伴可能なホテルなどがあるはず。
こんなことをするのは一部の心無いイタリア人だけ、と思っても、
なんだか非常にショックを受けた。

イタリアでは、捨て犬防止のため、ペットの身分証明となる入墨もしくは
マイクロチップの埋め込みを法律で義務付けているそうだが、
それが確実に施されているかどうかはわからない。
そのため、国立動物愛護協会のボランティアの人たちが一部のハイウェイで
パトロールを行い、ペットの入墨をチェックするなどしているという。
そのお陰で当該ハイウェイではペットの遺棄が大幅に減ったというが、
それ以外の地域での遺棄が増えたかも知れず、本当の効果のほどは不明だ。

あまりにショックだったので、日本はどうなの?と急に気になって検索すると、
5年ほど前の統計では、全国の保健所で殺処分された犬猫は約55万5千匹…。
ショックの上塗りである。
理由はどうあれ、わが国もイタリアと五十歩百歩。
イタリアを悪く言う前にまず日本をなんとかしなければ。
そう思いながら検索していると、またもやショックな内容が。
昨年、ネッツト○タ帯広店が新車購入の特典として用意したもののなかに、
なんと「仔犬」が!
市民や動物愛護団体から猛烈な抗議が寄せられたそうだが、
その申入れを受けて撤回したのかと思いきや、
車の注文書に仔犬の代金を記入し、購入客から大切に育てる旨の念書を取りつけ、
さらには社員が定期的に仔犬を見回ることにしたというから驚く。
企業倫理を疑うとはまさにこういう場合をいうのだろうが、
それで仔犬をもらう客も客だと思う。

マイクロチップの導入は今や世の流れとなっているようで、
オーストリアのウィーンでは義務化されているし、
マイクロチップをつけていない犬や猫は入国さえできない。
また、ドイツでは犬の9割に埋め込まれているそうだ。
日本では、環境省と沖縄県の国頭、大宜味、東の3村で今年度から2年間、
「飼養動物との共生推進総合モデル事業」を実施、猫にマイクロチップを注入する。
こちらはヤンバルクイナなどの希少動物を捨て猫の餌食から護るのが
そもそもの目的のようだが、双方にとっていいことには違いない。
興味深いところでは、独立行政法人都市再生機構(旧都市公団)が
東京都江東区に初めて建設したペット共生住宅があり、
そこでは飼い猫にマイクロチップの注入を義務付けている。
ほかには福岡県や静岡県などで日本獣医師会が試行しているものの、
まだまだ普及には程遠いようだ。

だが、マイクロチップの導入は一つの対処手段にすぎない。
本当に動物を護るには、飼い主、いや、人間のモラルの向上が不可欠だ。
一部の人の心無い行為を「一部の人のこと」と片付けず、
どうすれば動物への虐待をなくすことができるのか、
自分のこととして考えていかなければならないと思う。


(次を読む)

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