燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

小樽 2

2008-06-20 11:19:55 | 旅の思い出
 俥夫さんのガイドを聞きながら、運河沿いに北へと進んだ。
 小樽の海は遠浅で大型船が近寄れないため、運河とはしけ舟が大活躍。
 が、鉄道や道路が整備されると、運河の果たす役割は縮小していき、
 使われなくなった運河はやがてヘドロの悪臭が漂うようになったそう。
 小樽市は当初、全面埋め立てを予定していたそうだが、反対運動が起こり、
 運河の保存を求める住民たちと10年以上も話し合いが続いたそうだ。
 結局、北運河を残して半分埋め立てられ、北海道道17号線として整備された。

 小樽はニシン漁でたいそう栄えた町だ。
 現在の漁獲高は年間100トンと少ないけれど、
 今もなおしゃちほこが誇らしげに反り返っている屋根を見ると、
 往時の栄華がどれほど凄いものであったのかがしのばれる。

 竜宮橋の袂で道なりに左へ曲がり、折り返すように南へ進んだ。
 道路脇にところどころ立っている腰の高さほどの消火栓には、
 どれも2メートルほどの白いポールが取り付けられていて、
 その先端は赤や黄色の帯に塗り分けられている。
 これは、雪で消火栓が埋まった時、その場所を知らせるためなのだとか。
 冬になると、1メートルぐらいは軽く積もるのだそう。
 私が住んでいる地域は雪が少ないので、大抵の消火栓は地面の下だ。
 目印に赤いポールが立ち、「消火栓」と書かれた丸い看板が下がっているが、
 マンホールのフタの下を見たことはまだない。

 歴史的建造物を眺めつつ、元の場所に戻ってきた。
 運河沿いに並ぶガス燈は、本物のガス管を引いているそうで、
 点灯時刻になると、ガスの通る順にぽつりぽつりと灯りがともるという。
 幻想的で美しいという光景をぜひ見たかったけど、お宿は2駅隣の小樽築港。
 残念ながら、夜まで待つのは無理そう。
 ちなみに、ガス燈のお値段は1台320万円だとか。

 別れ際に割引券をもらった。
 京都に本店があり、奈良、雷門、鎌倉、函館、湯布院、門司でも使える。
 「この秋、湯布院にお越しの際はぜひ」
 なんと俥夫さん、転勤に当たったのだとか。
 そりゃまたずいぶん遠くへ……と思ったら、九州のご出身だった。
 里帰り転勤、というのかな?


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ガス灯 (とほ)
2008-06-23 00:04:17
ガス管が通って、順々に点いていくなんて、
とてもロマンチックですなー。冬もそうなのかしら。
しかし、1台320万円は高い!(笑)。

人力車のチェーン店が門司にもあるとはびっくり。
そして、転勤があるのも(笑)。
返信する
ロマンチック (燈子)
2008-06-24 09:05:42
 を演出するには、相応の出費が要るということなんでしょうね。
 後世に残る美しい景観のためなら、高くはない……かな?

 俥夫さんの転勤、仕事にプラスになりそうですよね。
 いろんな土地を知ってると、お客さんとの会話が弾みそう^^
返信する

コメントを投稿