ご無沙汰しておりました。
仕事多忙の毎日で、やっとブログ更新に漕ぎ着けました。
前回の続きです。
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前回は、塩釜神社(宮城県塩釜市)の随神門をくぐり、狛犬様を説明しました。
さて、いよいよ次の唐門に進みましょう。
なぜ「唐門(からもん)」というのでしょうか。
唐というと、中国の昔の国の「唐(とう)」を思い出すかもしれません。
しかし、「唐門」は中国から来た形式ではないのです!
まずは、「唐門」について紐解いていきましょう。
「唐門」というのは、
「唐破風(からはふ)」がある門のことなのです。
「破風(はふ)」とは、
下の写真の赤線の部分のことです。
写真引用 https://www.my-painter.com/column/20190130gennba5/
下の写真のように、お城には、さまざまな破風があるのがわかりますね。
写真引用 https://shirobito.jp/article/1467
多種多様な破風のデザインを組み合わせて見事なものになってますね。
では、唐門の"唐”の由来である「唐破風」とはいったいどのようなものでしょうか。
これから探っていきましょう。
「唐破風」は、"唐”という字がついていても、
なんと、「日本特有の破風形式」なのです!
平安時代頃に現れたといわれています。
屋根は、平常、三角につくられますが、
それを敢えて"弓のように丸い曲線”に施します。
写真引用 https://riverstone-roofing.com/basic/20150925_karahafu/
これが唐破風です。
必然的に普通の屋根をつくる工程よりも手間が必要となります。
破風の中でも、"唐破風は最も装飾性の高いもの”とされています。
唐破風が盛んだったのが、安土桃山時代。
装飾性の高い唐破風は、最も格が高いとされ、
神社や寺院、城郭建築に用いられてきました。
では、なぜ「唐」の文字がつくのでしょうか
古来日本では、中国から入ってきた先進的なものを「唐物(からもの)」と言い
中国からのものではなくても、見て珍しいものには、「唐」という名をつけていました。
唐破風の装飾性の高さは、人々の目をひきつけるもので、
「目新しいもの、先進的なもの」として「唐」の文字がついたと考えられています。
唐破風も時代とともに変化しており、古いものは勾配が緩やかで、新しいものほど急であるといわれています。
鎌倉時代に建てられた出雲武雄神社の拝殿(国宝)は、現存する最古の唐破風と考えられています。
写真引用 https://www.isonokami.jp/map/9.html
では、いよいよ、塩釜神社の唐門を鑑賞いたしましょう。
え⁈ 唐破風が無い!
どう見ても、ありません‼
なのに、どうして唐門なのでしょう⁇
早速、塩釜神社博物館の学芸員の方にお聞きしました。
すると、次のように教えてくださいました。
「塩釜神社の現在のお宮は、宝永元年(1704年 江戸時代前期)に竣工されました。
この宝永元年に唐門も楼門も造られ、現在まで続いています。
ちなみに、現在のお宮の前のお宮は、寛文三年(1663年)に竣工されています。
実は、唐門には、唐破風があったのです。江戸時代あたりまではありました。だから、唐門と言われていたのです。
それが年代が進むにつれて、唐門が修復されているうちに、いつのまにか、唐破風があらためられたのです。
唐破風がはずされても、『唐門』と人々が呼んでいたものが、今も呼び名としてのこっているのです」
そうだったのですか!これは、小さな発見どころか大きな発見日誌となりました‼
そして、次のようにも、教えてくださいました。
「とても巧妙になおされているので、どの部分をなおしたか、いつごろなおしたか、
文化財の調査でもわかっていません」
確かによくよく見ても全くわかりません!
学芸員の方の御説明のお蔭様で、なぜ「唐門」というのかわかりました。
大きさについては、
「唐門の柱の高さは、4.17m。
中央の門の両柱の間の横幅(人が通るところ)は、3.623m、奥行きは、3.434m。
左右の門の両柱の間の横幅(人が通るところ)は、左右の門とも、2.731m 」と教えてくださいました。
いろいろと詳しくありがとうございました‼
唐門の謎が解けたところで、唐門で一礼をして、その先に進みます。
続きは、また次回に。
今回は、この辺で。
ごきげんよう
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