こいつ、結構
終わってるよな
白髪頭でさあ
いつの間に、こんなに
いや、違うだろう
ずっと、前から
ずっと、ずっと
こんなんで
それが、ずっと
ずっと、ずっと
酷く、老いさらばえて
でも、もっと、ずっと
今日、老いさらばえて
この病院の
ベッドに
ただ、いるんだろう
なんか、あの
あの、無様な絵だ
あの、レンブラントの
年老いた、あの自画像
それと、違う
あの、若い日の
輝きに満ちた
自画像が、あって
あの自画像
ただ、老いさらばえて
なんか、年月を
刻んできた深みが
あるようにも
見えたりするけど
きっと、ただ
すべてが、衰えて
ただ、醜く
虚しいだけなんだよ
でも、良いよな
レンブラントには
あの若い日
壮年の日
そんな輝かしい
崇高な自画像があって
あの無様な自画像だけど
この自分には
ただ、なんにもなくて
この無様な
自撮りなんだ