今朝は、暖かったようです。空港の観測値で、12.6℃。9時前に、当地は、22℃を超えていました。ただ、昼下がりの今は、20℃を切っています。そろそろ雨が、降り始めて、そのまま、終日降るとのことです。当然、日がありません。暖かさは、感じません。
ただ、何より、風が、吹き荒れています。現時点で、空港で観測された最大風速は、12m/s。正直、風の音も凄いし、体感は、20m/s位に、感じます。まあ、室内のリビングで、ごろごろしているのに、体感も、へったくれもあったものでは、ありませんが。
でも、とにかく、家のシンボルツリーのもちの木が、激しく揺すぶられています。風の強さが、思い知られます。ただ、このもちの木が、二階を超える程の高さがあって、枝も張っていて、かなりの大きさです。家を、守ってくれている感じがします。
あまりにも、かたちが、良くないですね。素人が、適当に切ってますから。とにかく、大きくなって、枝も、張っちゃうんです。実は、最初は,この木、妻の評判が、特に良くなかった。「何で、こんな大っきくなっちゃうの?」と。剪定が大変です。我が家は、自分がそんな事に、手を掛けるのが嫌いなので、絶対、植木屋さんなんかに頼みません。
最初は、義父が元気で、妻の実家から、首都を跨いで、わざわざこの首都圏辺境まで、庭木を運んだり、剪定したり、花を植えたり、と。色々してくれました。自分は、ひたすら、甘えました。忠実な弟子の妻は、習いながら、手伝っていました。何事にも無気力な夫は、さておき。それでも、もちは伸びます。伸び過ぎます。
もちの木の生命力が、ただ強かったと言うことでは、なかったと思います。事実、共通の木を植えている住宅内でも、我が家のもちは、飛び抜けて大きい。入居の時は、当然、皆、ほぼ同じ大きさでした。我が家のある区画が不整形の為に、我が家が、分譲住宅の割に、全方位、軒を接していない。東南の前の道に面したもちの木は、一日中、全身に、日を浴びることが、出来ます。多分、根が、良い水脈にも、当たっていそうです。
辟易している妻を見ていて、さすがに、やる気のない自分も、気が咎めました。もう、女性の手に余る。ただ、自分は、たいがいな、面倒臭がりです。どうせこれだけ良く伸びるんだから、かなり切っても、大丈夫な筈だ。かなり、ばっさり切りました。木が、半分以下になりました。これで良し、と。
ところがです。すぐ伸びちゃいました。ええっ⁉︎仕方がない。ばっさり!もうね。どうせ、また枝を張るからと、ばっさ、ばっさです。中年太りの身体も言うことをどんどん聞かなくなっています。脚立の上に、立ったりすると、おっとっと、です。いつ踏み外して、落っこちて、骨折とか。もう、ますます、面倒。脚立なしで、幹ごと。鋸で、ごしっごしっ。やったあっ!ちょっと、気持ち、葉っぱのある枝を残して。さっぱり。木は、五分の一位でしょうか。
さすがに、妻も、呆れていました。でも、こんな木、安い木で、たいしたことないから。みんな抜いちゃって、植え替えているから、枯れても良いのよ、と言う感じです。だから、怒りません。
でも、気づいていなかったんです。この木が、結構、我が家を、助けてくれていることを。「最近、風が、強くなったね。」と。「あの、ファミレスが出来て、風通しが良くなっちゃったのよ。」分譲住宅の出口の緑道の正面。贅沢に、歩道と自転車道と、二車線の大通り、反対側の歩道の向こう。里山の林を切り開いて、ファミレスが、出来たのです。歩いて三分。夫婦でボトルも預けて、たまに、食事と晩酌を楽しませて貰ったお店です。文句は、言えません。でも、そのおかげで、風が、調整池を渡って、素通しの我が家にぶち当たるようになってしまったのです。しばらく前から、そうなっていたのですが、良く考えて、やっと気づいたのです。
しかも、もちの木です。あれっ、切っちゃったから?やっと、そのことにも、気づきました。自分は。それからは、頑張って、脚立に乗って、少し遠慮して、枝打ちするように、なりました。でも、まだ、妻は、どうでも良いようです。蔦を、アルミの柵状のフェンスに這わせようと、もちの木の近くに、植えていました。蔦は、色々伸びて、もちの木に、取り憑いてしまいました。よっぽど、美味しかったみたいです。蔦は、どんどん伸びて、もちに絡みつき、締めつけました。明らかに、もちの木が、伸びなくなりました。妻は、それで、ちょうど良いと思っていたようですが。
でも、ある年、明らかに、葉の色がおかしい。黄色っぽく感じます。枯れかかっている?自分は、妻と掛け合いました。もちの木が、風から、家を守ってくれているのだ、と。なくなったら、まずいよ、と。妻も、しぶしぶ同意しました。
今度は、蔦が餌食です。自分の。ただ、剥がすとか、抜くとか、そう言う面倒じゃないことは、お手の物です。剥がして、切って。切って、剥がして。最後は、ぐいっ。ぐいっ、ぐいっ。もう、ついでだから、根こそぎ抜いちゃいました。ああ、さっぱり。また、蔦が、復活して、もちに取り憑いても、困りますからね。
妻が、どう思ったかは、聞いていません。多分、あんまり、良くは思っていないでしょう。でも、枯れかかっていたもちの木は、すっかり元気に復活しました。また、どんどんと伸びて、枝を張り、葉を茂らせました。家を、守りつづけながら。
それから、あの地震があって、多分、家は傷んでいます。でも、懐も寒いし、子どもに上っ面だけ修理して貰って、はい、終わりです。だから、家は、大風が吹くと、ますます揺れます。家は、大揺れですが、不思議に保っています。いや、もちの木が、風除けしてくれているおかげで。何とか、耐えているのでしょう。妻も、最近は、すっかり、もちの木を、頼りに思っているようです。