まだ少し寒くて
でも澄んでいる、
青空
こんな日は、
ふるさとの海は、
どんなだろう…
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太平洋に、
つながっていた
高台から、
見えていた海は、
家並みに、
隠れた
上っていく、
海岸の国道
現われる、
防砂林
国道を渡れば、
深い黒松林だ
林間の道を、
抜ける
一面の、
砂浜
まるで、
砂漠だ
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砂を採取した跡の、
深い谷のような、
高度成長の、
傷跡の蟻地獄
息を切らして、
上り切ると、
また、
広大な、
砂浜が、
広がる
でも、
その向こうに、
真っ青な、
海だ!
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どこまでも、
広がって行く
海の彼方に、
うっすらと、
蜃気楼のように、
浮かんでいる
島影は、
大島だ!
手前には、
波浪観測塔
とうとうと、
打ち寄せてくる
高波は、
打ち寄せて、
返して行く
ここは、
湾の真ん中で、
波が荒い
右手を、
辿って行く
兜岩があって、
江ノ島が、霞む
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更に霞む、
三浦半島
振り返ると、
やっぱり砂浜
河口を跨いで、
やっぱり砂浜
その先に、
遠い堤防
真鶴半島が、
霞んでいて
更に、霞んでいる、
伊豆半島を辿ると、
やっぱり霞む、
初島の島影
もっと、振り向くと、
箱根の山々
更に、振り向いて行くと、
迫る、
こゆるぎの里山
でも、箱根との合間には、
富士だ!
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雪を僅かに、
頂いて、
屹立する、
富士だ
もっと、
振り返る
松原の向こうには、
大山だ!
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故郷を見下ろしていた、
故郷の山
冬には、
雪を纏うけど
こんな夏には、
青々と、聳えて
青々と、山裾を、
広げて行く
また、振り返ろう
ずっと、砂浜
下って行く、
波打ち際
相模湾の、
湾の真ん中の、
波濤
彼方に、
辿る
でも、ずっと
海
相模湾の向こうは、
太平洋で、
ずっと、
海
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いつの頃からか、
上流でもあった、
砂利の採取で、
海岸の砂浜は、
きっと、
都会のビル群に、
変わったのだろうか
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砂浜は、
半分、いや、もっと
失われて、
直ぐの波打ち際
いろんな施設を造って、
誤魔化していたけど
失われた砂浜は、
戻らなかった
その向こうの、
相模湾
太平洋は、
相変わらず
広がっていた、
故郷の海
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でも、自分には、
すっかり、寂しくなっていた
中学生の時に、
父が亡くなり、
随分と後に、
兄も亡くなり、
母も亡くなった
姉は、故郷を、
逃れたまま
家族のいなくなった、
故郷に、
今の自分は、
戻ることも、
なくなった
あの寂しく削られた、
砂浜は、
どんなだろうか
でも、
きっと海は、
広いままで
こゆるぎの山々を従えた、
大山は、
きっと、
見下ろして、
いるのだろう
あの街は、
今住む街より、
ずっと、都会で、
でも、自分にとっては、
生まれて、育った、
故郷
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