ふと、思っている、あの時…

ふと、気づくと
おまえは
昔に、いる
それは、近い昔より
遠い昔、だったりする
それも、結構
子どもの頃だ
おまえにも
楽しいことも
たまには
あっただろうに
楽しい昔には
滅多に、戻れない
たいがい、嫌な
苦しかったり
恥ずかしかったり
そんな時に
戻っている
こころは、ただ
沈んでいく
ずっと
そんな風だな…
いや、そうでもないか
昔のおまえは
いや、少しの昔の
おまえでも
明るくて、楽しい
そんな未来にも、いた
でも、それは
その時のおまえとは
まったく、かけ離れた
違ったおまえだったな
現実逃避
だったかも、知れない
いやいや
そうでもないか
その時の、現実から
派生したような
そんな未来にも、いた
でも、そんな時は
やっぱりだ
暗くて、不安なだけ…
ただ、もう
そんな風に
未来にいることは
なくなったかな
ふと、気づくと
いつも、やっぱり
苦い、暗い昔だ
でも、そうでもないか
そんな風に
昔は、感じた
昔が、そうでもない
昔に、いると
酷く、生々しく
苦いだけだったけど
こうして
今のおまえが
ふと、いることに気づく
そんな昔は
苦いけど
セピア色で
凄く、微か
遥か、彼方
意外と
心地良かったりする
ただ、もう
いつ、我に返っても
未来には
いることは
ない…