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日記、日々の想い 

ちびとお母さんの、嫁姑関係?

 まあ、お父さんの、お母さんへの注意が、引き金になったんですけどね。一応、お父さんも、いぬのハウツー本は、読んでいました。そこで、ある程度の基礎知識は、得ていた訳です。本ですね、あくまでも本。世紀末の頃でしたからね。
 まだ、ネットとかも、殆ど、ありませんでした。それで、子どもの頃のいぬのトラウマもあって、色々といぬを知りたい、賢く飼いたいと、思っていたのです。それで、ハウツー本でした。
 本には、群れの生活を習性とするいぬの生態についても、あれこれと、書かれていました。いぬは、群れで生活しますから、一匹で飼って、あまり構ってやらないと、孤独に耐え切れずに、異常な行動を取るとか。変なストレスから、噛み癖がついてしまうとか。そんなことでした。
 それで、いぬと家族が、お互いストレスなく、安定した生活をする為には、人間といぬ、いぬ同士のお互いの順位付けを、しっかりとつけてやらなくてはならないと言うようなことが、書いてありました。安定した順位づけによる、安定した群れの、秩序ある生活ですね。
 室外犬と、室内犬の話もありました。先に飼った室外犬がいて、後から室内犬を飼ったとします。家族は、何となく、後から来た室内犬を、可愛いがってしまいます。
 すると、室内犬は、自分は、家の中にいて、しかも、あの外の犬よりも、何でも先にして貰える。あの外の犬は、前からいるみたいだけど、自分より何でも後回しにされているし、しかも、外に出されている。だからあの犬は、自分より下の存在なのだ、と勘違いしてしまいます。
 一方、室外犬は、あの新入りのちびは、家で家族と一緒で、あれこれ自分より先で、随分と良い思いを、している。自分の方が、大っきくて、先輩なのに、ひょっとして、下扱いなの?納得いきませんよね。あんなちび、一噛みなのに。と、なってしまいます。二匹の関係は、歪んでしまいます。
 そんな感じで、二匹の関係が、喧嘩が絶えなくなっちゃう、上手く飼えなくなっちゃう、と言うようなことを、実例も色々上げて、ハウツー本は、教えてくれていました。
 それで、問題のお母さんと、いぬたちの関係です。妻は、自分が、二人姉弟の長子、しかも、五人兄妹の長子だった義父一族の惣領娘でした。しかも、二番目の弟と従兄弟とは、五歳差があります。だから、女性なのに、一族の関心と干渉を、一身に背負って、育つような幼児体験を、したようでした。だから、末子で、放置されていた自分とは、対照的な育ち方をしていました。
 それで、何か、長男には、次男を慮って、色々我慢させるような事は、ありませんでした。だから、弟の方が、我慢しているような独特な兄弟の育ち方だったような気がします。妻には、やり過ぎたと言う、多少の反省が、あったのでしょう。
 それで、しろに、いもうとが来ると、いもうとを優先させて、お兄ちゃんのしろを、我慢させようとしていたように、思えました。ごはんは、赤ちゃんなんだから、いもうとのちびが先と言うような感覚で。
 しろを、幼いいもうとを思いやって、優先させて上げるような思いやりがあるいぬにしたかったのでしょう。でも、人間とは違って、力関係だけで成り立ついぬの群れでは、その考えは、かえって、関係を歪めます。ちびからすると、群れのリーダーのお母さんから認められたあたしは、しろより上なのよ、となります。しろの方は、ぼくの方が先輩で、お兄ちゃんで、強いのに、なんで、お母さんは、ちびばっかり贔屓するんだと、納得が出来ません。
 それが、ごはんの時に、いくらお母さんに怒られようが、鼻を叩かれようが、赤ちゃんちびの前に、割り込んだ原因になったような気がしました。お母さんに、群れの順位は、ちゃんとしてよ、と主張していた訳ですね。
 だから、ちびの前に、わざとおもちゃを並べて、これ見よがしに遊んだ腹黒で、底意地悪い、しろの異常行動も、順位付けを、正そうとした行動。或いは、群れの仲間としての家族たちにも、それを主張した、行動の一環だったのかも知れません。
 ただ、お母さんの後見を受けたちびは、体格、体力の成長とともに、どんどんしろに、強気に挑むようになります。気の強さで、体格、体力のハンデを、撥ね退けられるようになって行きます。
 そこへ、避妊手術。ちびは、母性の優しさを獲得する機会を失い、成犬となります。すると、お母さんから、好物を貰った後でも、しろに噛みついて、泣かして押し退ける。しろの分のご馳走まで、お母さんの手から、奪いとろうとするようになってしまいます。さすがに、それは、お母さんも、怒りますが。
 そこで、自分が、妻に助言した訳です。「順位を、しっかり付けた方が良いよ。何事も、しろを先に。」と。妻からしたら、そんなの分かってるわよ、って感じだったと思います。何しろ、気の強いちびのお母さんですから、もう一回り気が強いのです。
 妻は、素直に、分かったとは、言わない訳です。でも、ちびに、手を焼くようになっていた妻は、内心では、考えを見直したようでした。何事も、しろを優先。それが、納得出来ないちびを、逆に叱ります。でも、なかなか上手くいきません。多分、やりようは、あったのでしょうが。今度は、お母さんとちびの対決の構図に、なってしまいました。間で、しろは、怒られるちび、ざまあみろ!でも、ぼくちゃん、怖いよ〜っ、ひぃ〜っひぃ〜っ、みたいな。
 そうなると、部外者の自分から見ると、気の強い同士の、妻の姑と、ちびの嫁、間でおろおろするばかりの気弱な息子で婿の、しろみたいに、見えてしまうようになりました。あらあら、なんだかなあ…
🐕
*ちびの写真が、一枚しかないので、ちびのイメージ絵文字です。秋田の茶系の毛並みに、巻き尾って、ちびそのものですね!
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