存在することが
この時空では
歪みなんだよね
じゃあ、おまえが
生まれたことは
歪みなんだね
なんだか、生まれたことが
歪みだって、凹むよね
いや、でも
違うか
存在することが
歪みなんだから
おまえなんて
元々、素粒子から歪みで
原子に、なっても
分子に、なっても
或いは、時々に
固体として
液体として
気体として
いや、いのちとなった時も
幾度となく、幾万回となく
あれこれに、なっていて
それで、いつも
歪みが、更に歪むだけだから
所詮、歪みだったんだよな
たかが、歪みだったんだ
でも、歪みだったんだ
歪みが、更に歪んで行き
歪んで、歪み合って
その果ての歪み
歪み合いの歪みの果てに
今の、おまえは
いるのかな
いや、果てなんかじゃない
おまえなんか、終わったって
歪みは、歪みであり続けて
更に、歪み続けて
おまえなんて
一瞬の泡だったとして
歪み、歪んでいくだろう
でも、泡のおまえは
歪みの営為の
一瞬の、うたかただけど
おまえの、おまえ
おまえとしてある
その意識、意識世界は
質量なんて、ないよな
この意識は
歪みの、うたかた
おまえと言う物体の
そのまた、うたかた
みたいだけど
歪みじょないよね
きっと、歪みじゃない
歪みの、うたかたのうたかた
でも、歪みじゃない
限りなく、儚いけど
物凄く、愛おしいな…