自分は、いつも通り、見え見えのイニシャルトークで書くが、首都圏のC県の、日本一の大河、T川のやや上流の川沿いの町に住んでいる。ただ、自宅は、川からは、離れた内陸の高台の住宅地内にあるので、水害の心配はない。ただ、あの大震災の時は、C県は、最大震度6弱を記録したし、自宅付近も、震度5強を記録した。自宅も少し壊れたが、あまり資金もなかったので、ちゃんと修理もしていない。ただ、保険会社からは、一部損の認定を受けて、多少の保険金も貰った。室内の壁面には、大きな割れ目が出来て、骨組みも、少しずれてしまったのかも知れない。だが、解体に近い修理をしないと直せない筈なので、壁面の表面しか直していない。外壁にも、多数のひび割れが入ったが、それも、ただ埋めただけだ。実のところ、多少その方面の仕事の経験のある次男に頼んで、簡単に修繕して貰って、保険金は、生活費に使ってしまった。土台にも、ヒビが入っているが、そのままだ。こんな風に修理を怠っていて、家が倒壊でもしたら、こんな近所迷惑で無責任な話は無い。しかし、家のある地区の区画は、不整形で、かえって、どの隣家とも、十分過ぎる距離を取れている。勝手に大丈夫だとタカを括っている。まあ、震災後、度重なる余震もあったのだが、むしろ家はあまり揺れなくなってきているので、揺れで、かえって外れ掛かった骨組みが、元に収まったのではないかなどと、ふざけた甘い考えも抱いてもいる。
ただ、C県は、20人以上の津波被害を中心とした死者も出したし、首都と一体のT湾沿岸部、或いは、T川流域部でのかつてないほどの液状化被害も出した東北三県に次ぐ大被災地だった。更に問題なのは、超巨大地震の断層破壊が、大震災の震源域に隣接するI県沖で止まったことだ。これは、北の三陸沖中部で、断層破壊が止まったことと合わせて、何故そこで止まったのか、科学的な解明は出来ていないと言う話を聞いたことがある。何故なら、南北のその先には、プレート境界が連続しているからだ。その連続したプレート境界の破断が、大震災の震源域で止まった理由が分からなくて、南北それぞれのプレートの割れ残りが、大震災のストレスを受けたままで存在していると言うことなのだ。これは、自分も、報道などで見聞きした記憶があるが、米国の大学の地震研などが、震災直後から、このプレートの割れ残り部分の危険性を、いち早く警告していた。
例えば、今は、東日本域よりも心配されている南海地震を引き起こす南海トラフとは、大震災の震源域の断層帯とは、フォッサマグナによって、分断されているので、その影響は、あっても、少ない筈なのだ。しかし、大震災の割れ残り部分は、超巨大地震による直接的なストレスを受けている。実際に、C県の東方沖では、震災後、頻々と、関連地震が続いた。この大震災の震源域の南北では、M8級の地震の危険性が逼迫しているとも言われる。正直、半分他人事の南海トラフ地震よりも、自分の住む地域では、この大震災の割れ残り境界で起きる地震の方が、遥かに恐ろしいと思っている。大震災より近くで起きるのだから、M8級でも、自分の住む地域の揺れは、大震災よりも大きくなるかも知れない。実際に、今回の福島沖の地震は、福島県などでは、大震災より、かえって揺れの大きかった場所もあったようだ。震源によっては、マグニチュードの規模に関わらず、かえって揺れが大きくなると言うことだ。同じことは、このC県でも起き得ることは、間違いない。しかも、自分の住むC県の北西部地区は、広く言って、南海トラフ地震同様に国難的な被害を出す可能性があるとされる首都直下地震の震源域でもある。四つものプレートが重なり合う世界でも稀な地震危険地帯でもある関東平野には、関東大震災などを引き起こしてきた沖合の相模トラフとは別に、内陸に幾多の断層帯が走っているらしい。そのうちの首都に近い断層帯で起きた直下型地震が、かつての首都直下地震と言うことになる。だから、その断層帯の位置によっては、被害の大きい地域も変わる。心配される首都直下地震が、自分の住む地域の近くで起きて、大変な被害をもたらすこともあり得るだろう。心配は、尽きない。ただ、今回の巨大余震の起きている地域は、もちろん、大震災の震源域だから、自分の心配する地域で起きる地震ではない。ただ、いわゆるアスペリティ理論の言う大震災のアスペリティは、心配されていた宮城沖地震のアスペリティとは、違うらしい。そうなると、最大M8級とされた宮城沖地震のエネルギーは、まだ解放されていないと言うことになる。そうだとすれば、今回の地震が引き金になって、更なるM8級の宮城沖の巨大地震が、襲来する可能性はないのだろうか。宮城沖が震源であっても、M8級であれば、自分の住む地域も、無事では済まないかも知れない。とにかく、あの未曾有の大災害を引き起こした地震の余波は、まだまだ続くのだろうし、色々と覚悟だけはしておく必要があるように思っている。