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日記、日々の想い 

熱が嫌いな自分が、熱を持つ時

暑いのが
結構
好きだったな
子どもの自分は
でも、ちょっと…
自分は
海の近くの
育ちだったけど
海辺の夏は
特別に、ざわつく
普通は、心が躍る
ぞんな季節なんだ
はずなんだけど
ただ、たいして
自分は、泳ぎが
上手くないんだ
上手くなんて
なろうともしない
なりたくもない
泳ぐのなんて
かったるいだけだよ
そんな、自分には
遊泳禁止の
故郷の海なんか
ただ、波が高くて
直ぐ足が、つかなくなって
ただ、怖いだけ
でも、隣町の
遠浅の
海水浴場だって
波は、来るよ
さらわれそうにだって
なるんだ
おまけに、ぞんな夏には
海水浴場なんて
まわりは、ひとばっかり
浜辺に上がっても
もっと、ひとばっかり
だから、海水浴場なんて
たまには、怖いし
ただ、汚くて
ただただ、鬱陶しいだけの
そんな悪夢の、場所としか
思えなかったんだ
だから、友だちに
誘われたって
絶対に、行かない
でも、そんな友だちに
置いてけぼりになって
自分は、一人
家の、居間で
畳で、ごろごろ
すると、友だちが
暑苦しいだけの
浜辺のひとたちに
混じって、はしゃいでいる
そんな声が
聞こえてくるんだ
その声は、どんどん
大きくなってきて
自分の気持ちを
やがて、いっぱいに
埋め尽くしてしまう
目を瞑って、耳を塞ぐけど
きっと、幻聴だから
こころに、纏わりついたまま
その友だちの歓声は
遥かなはずなのに
でも、凄く熱くて
きっと、それは
浜辺のひとたち
みんなの
わくわくしている
そんな熱で
その、歓声、嬌声…
いや、目は瞑ったまま
耳は塞いだままだ
でも、その熱は
もう、自分の
こころの中に
灯ってしまっていて
冷めていたはずの
自分の、この血
いつも、冷血なはずの
そんな血なのに
ただ、激しく
沸き立ち始めて
凄く、わくわくと
この気持ちを
惑わせるんだ
…嫌だったんだな
暑いのが、好きなくせに
他人の熱は、嫌いだよ
自分は、冷血で
熱がない方が
こころは
凄く穏やかで
落ち着けるんだ
なのに
自分から
置いてけぼりに
なったくせに
嫌だったんだな…

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